新型コロナウイルスの感染防止を目的に、テレワークやリモートワークといった在宅勤務を導入する企業が目立ってきた。早い時期からリモートワークを始めた企業は間もなく1カ月近く経つが、若手社員から不満の声が出ているのが、幹部社員のパソコンスキルの低さだという。

「リモートワークが終わって通常勤務に戻ったら、上司の人たちは社内で冷たい目で見られるでしょうね」

 こう話すのは大手不動産会社に勤める40代の女性社員だ。この会社では、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、安倍首相が全国の小中高に一斉休校を呼び掛けた直後の3月初めからリモートワークをスタート。ところが、直後から若手社員を驚かせたのがパソコンスキルの低い幹部社員の姿だったという。

「在宅勤務を始める直前、部内で『お前らサボるなよ』などと注意していた幹部社員が少なからずいたのですが、いざ、リモートを始めたら、注意していた幹部ほどパソコンが苦手。というよりも、パソコンがほとんど使えない。しょっちゅう問い合わせが来るので、『参考資料はクラウドにあります』と説明しているのに何もできない。『パソコンが動かないんだ』とも言うので、おかしいなあと思っていたら、何と、自宅にWiFiの設定がありませんでした。社内でパソコンを使う時、『忙しくて時間がないから、この資料出しておいて』と言うばかりの人でしたが、ああ、パソコン使えなかったのね、って納得しましたね」(前出の40代女性社員)

 とりわけ、若手社員を困らせたのは「リモート会議」だという。同じ不動産会社に勤める30代の男性社員がこう言う。

「うちの会社では毎朝9時に安否確認のメールを送り、各自がその日の簡単な仕事のスケジュールを上司に報告します。ところが、それだと在宅勤務なのか、営業しているのかが分からない。そこでパソコンのテレビ電話で会議をやることになったのですが、パソコンに不慣れな上司は初めてのテレビ電話が楽しくてたまらないらしく、会議時間でもないのに『おい、どうだ』なんてニヤニヤしながらつないでくる。テレビ電話はふつう、自分が話すとき以外はマイクオフするのに、その上司はいつも大声で話し続けているから、他の人が何を言っているのかが分かりません。小学校では2020年度から、プログラミング教育が必修化されますが、中高年層も“必修”にしたほうがいいですよ」

 新型コロナウイルスは、中高年層のパソコンスキルを上げるきっかけになるかもしれない。