いつ、どこで感染するのか分からない。感染したとしても症状が出ない。そんな漠然とした不安を抱えながら生活している人には朗報だろう。

 新型コロナウイルスに感染した一部患者に嗅覚損失の症状がみられる、と25日付のAFP通信が報じた。

 記事によると、新型コロナウイルスによる被害が大きいイタリア北部の病院に勤務する耳鼻咽喉科医師が、現場の医療従事者らの間に嗅覚喪失が多くみられることに気付いたといい、これを受け、米国耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会は<無嗅覚症と味覚障害が新型コロナウイルスの「重要なサインとなる症状」であることを示す症例が増えていると指摘>したという。

 さらに、独ボン大学のウイルス学者が日刊紙の記者に語った例として、<子どもの汚れたおむつのにおいが分からなくなっていた母親><シャンプーのにおいがしなくなったという人><食べ物が薄味に感じるようになったという人>を紹介している。

 新型コロナウイルスの感染拡大が続いている理由のひとつは、感染しても症状が出ない「無症状感染者」の存在だ。仮に感染の兆候として「嗅覚損失」がみられるとすれば、「無症状感染者」にとっても分かりやすい判断材料になり得るだろう。

 ウイルス感染が嗅覚に影響を及ぼすことは考えられるのか。医療ガバナンス研究所理事長で、内科医の上昌広氏は「報道は承知していますが、詳しいことは分からない」とした上で、こう続ける。

「もし感染者の自覚症状として(嗅覚損失が)あり得るのであれば、治療に当たる現場の医師にとっても、患者さんにとっても有益な情報になるのは間違いないでしょう」

 覚えておいて損はない情報だ。