政府が先月26日にイベントや外出の自粛を呼び掛けてから約1カ月。長すぎる蟄居で国民もストレスを感じ始めている。ネット上では誹謗中傷のコメントも散見され、公園で外遊びしている幼児まで白い目で見られることもある。

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 ギスギスしたニュースが多い中、「日本も捨てたもんじゃない」と思わせる出来事が起きている。ふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」が新型コロナウイルスの被害事業者や研究開発、子育て家庭への寄付を呼び掛けたところ、全国で支援の輪が広がっているのだ。

 同サイトで「検査技術の開発支援」(感染症対策)を名目にふるさと納税を募っている神奈川県の担当者が、こう喜びの声を上げる。

「ふるさとチョイスさんからご提案をいただき、1000万円を目標にふるさと納税を募ったところ、予想以上の反響に驚いております。黒岩知事がコロナ対策の補正予算を発表したところですが、ふるさと納税でいただいた寄付金は主に『新型コロナウイルスの迅速検出法』の改良や実証研究などに使わせていただきます」(政策局ヘルスケア・ニューフロンティア推進本部室)

 ふるさと納税による寄付は3月9日からスタート。今月末日まで募っているが、目標額1000万円の約95%(25日現在)がすでに集まっている。この手の寄付では異例のペースだ。

 具体的には、神奈川県衛生研究所と理化学研究所が共同開発した迅速検出法の実用化のために使われるという。

「今回のふるさと納税に『返礼品』はございません。にもかかわらず、神奈川県民以外からもうれしい激励と共に多くの寄付が寄せられました。その激励の声を受け、本気で迅速検出法の実用化に取り組まないといけないと思っております」(前出の担当者)

 ふるさと納税をするためには、2000円(ワンストップ特例は5自治体まで同額)の自己負担金がかかる。純粋な気持ちから寄付した人が多いのだろう。激励の応援メッセージには「世界中の人たちの助けになりますように」「自分にできることとして、寄付で応援させていただきます」「みんなで力を合わせて、この困難を乗り越えましょう!」といった言葉が並んでいる。

 他にも同サイトでは、病院や介護施設への医療物資の提供、待合室や診察室としてのトレーラー貸与などを行う佐賀県のNPO法人への寄付も募っている。本来ならこれらはすべて国がやるべき仕事だが、やる気のある地方自治体はぜひ応援したくなる。

記者も微力ながら寄付してみた

 新型コロナ対策に本気で取り組む自治体を応援したい。記者も微力ながら「ふるさと納税」をしてみた。

 まずは、「ふるさとチョイス」にアクセスし、トップ画面に表示された「新型コロナウイルス被害に関する支援」をクリック。神奈川県の「感染症対策支援」を選ぶ。

 寄付の受け付けは簡単で、最初に寄付したい金額を決め、次に姓名や連絡先、住民票の住所を入力。支払い方法は「クレジットカード払い」「コンビニ支払い」「郵便振替」「銀行振込」などから選べる。記者はクレジットカード一括払いを選択。この場合、決済手数料は無料だ。

 その後、希望する人は応援メッセージを入力する欄があり、最後は「同意する」をクリックすれば終了。3〜4分で完了した。翌日、黒岩祐治知事名でメールが届いたが、ワンストップ特例申請書などの書類は最長2カ月程度で自宅に届くという。

 他にも「ふるさとチョイス」では、給食、外食、観光、花き産業関連事業者への支援もある。この神奈川県のふるさと納税に返礼品はないが、税金の使い道を自ら選択できるメリットがある。