コラム【話題の焦点】

 ナイトクラブやバーがひしめく夜の東京・銀座。小池百合子都知事の4月10日の休業要請から「ほとんどの店が要請に応じ、ゴーストタウンになりました」と話すのは、銀座の50代オーナーバーテンダーだ。

 本紙(日刊ゲンダイ)記者も金曜の夜に銀座4〜8丁目の飲食街を歩いてみたが、休日のオフィス街のように閑散としていた。今まで見たことがない光景だ。

「こんなに長く休んだことがないので、家でじっとしていても不安だし、とりあえず店に出て掃除だけしているなんて同業者もいますね。補償がどうなるかもよく分からないし、1カ月ぐらいなら休業してもしのげそうですが、それ以上になると……同業者同士では、よくつなぎ融資について話題になりますね」とは、前出の50代オーナーバーテンダー。

 銀座の別のバーの40代スタッフはこう話す。

「昼の営業もほとんど自粛していますし、大っぴらにはできないので、看板の明かりもつけず、開店時間を早め、こっそり営業している店も数店はあるみたい。客は来ないと分かっていても、開けていないと不安になるんだとか。ただ、いざお客さんが来ても根拠もないのに『俺は感染しないから』なんて豪語する、酒癖が悪くてマスクもしない、感染リスクの高そうな人だったりして、むしろ怖くなるそうですけど……」

 新型コロナ禍による休業要請は、一体いつまで続くのか。ヤキモキしているのは飲食店だけじゃないようだ。

「銀座って他の繁華街と違って、信用で成り立つ“文化”が残っている。そこが銀座の良さでもあるんです。たとえば銀座には大きく2つのおしぼり屋さんが入っている。500本で5000円とかで、信用で現金で取引していたりもするんですが、今はほとんどの店が閉まっているから、集金できなかったりするそうです。売り掛けの回収がきつい酒屋さんだってある。この先、休業要請が長引いたら、踏み倒す店も出てくるかもしれません。銀座の古き良き文化がアダになっている部分もあります」(銀座クラブ関係者)

 銀座の信用が揺らいでいっている。