作る過程も含めて、大人も子供も楽しめるものが、たこ焼き。近ごろは「たこパー(たこ焼きパーティー)」も人気だ。

 プロの味に近づけるべく、向かったのは東京・笹塚の「神戸みなと屋」。「たこ焼きは奥が深い」――兵庫県出身、大阪のたこ焼きの名店「くくる」で修業を積んだ店主の北浩和さんがきっぱり。「外側フワッ、中はトロッ」の、まるで「飲む」みたいに食べられる同店のたこ焼き。

 これを家庭で完璧に再現するのは難しいものの、真似したいポイントがある。

生地は緩くだし汁を封じ込めること

■ガスで焼く

「以前、テレビの番組でたこ焼きを焼いたんですが、その時用意されていたのが、ホットプレートのたこ焼き器。全然焼かれへんで大変でした」(北浩和さん)

 ホットプレートは電気式なので火力が弱い。その点、ガスは火力が強く、焼き上がりが違う。フッ素加工なら、最初から焦げ付かないので、素人でも使いやすい。

「もっとこだわるなら銅製。店でも使っていますが、熱伝導率が高く、外側フワッ、中がトロッのたこ焼きができます」

 鉄製のたこ焼き器もあるが、油が馴染むまで時間がかかる。家庭で最初からおいしく焼くなら、やはりフッ素加工のものが簡単だ。

■生地を緩めにする

「難易度は上がりますが、生地は緩いほどおいしくできます」

「神戸みなと屋」の生地は相当な緩さ。素人の場合は、少しずつ水分量を増やし、自分の技術で焼けるギリギリのラインの緩さを探すといい。

 ちなみに記者は生粋の大阪人で、たこ焼きは日常食。実家では粉100グラムに対し、水分は400㏄以上で作っていた。

■粉はダシで溶く

 たこ焼きはダシを利かせた食べ物。市販のダシ粉末を水に溶いたものでもいいので、「水」ではなく「ダシ」で溶く。

■たこと卵はいいものを

 北さんは養鶏場直営の卵専門店が扱う卵を使い、たこはマダコ。粉とソースは関西から仕入れ、マヨネーズは自家製。

「卵とたこにこだわるだけで味が全く変わる。最近のたこ焼き粉は結構おいしいのでそれでもいいですが、ソースやマヨネーズは好みの味のものをぜひ探してください」

■最初のかえしが重要

「たこの汁をたこ焼きの中に閉じ込めるようにかえします」

 そのためにはスピードも大事。全ての具材を準備し、シミュレーションをした上で素早く焼く。

ホットケーキの粉を牛乳で溶いて果物を入れるのも

 たこ焼きにはソースとマヨネーズが定番だが、まずは「そのまま」を試して欲しい。ダシの香りがフワッと漂い、えも言われぬおいしさ。記者は基本、何もかけないか、塩だけ。マヨネーズ+ポン酢や、ダシ汁につける食べ方もイケる。

「具材も、ちくわ、ソーセージ、チーズ、キャベツ、桜エビなどいろいろ試すと楽しいです。お子さんがいるなら、ホットケーキの粉を牛乳で溶いて、中に果物などを入れるのもいいですね」

 記者にとっては、えびせんに熱々のたこ焼きを挟む「たこせん」やたこ焼きのグラタンも懐かしの味。お試しあれ。

▽神戸みなと屋 東京都渋谷区笹塚2―41―20。2013年開業。「東京ではたこ焼き食べへん」という大阪人も多いが、ここは別と評判。通年メニューのかき氷も大人気で、主にたこ焼きは妻の知子さん担当(写真左)、かき氷は浩和さん担当。