経済的に困窮する国民に対する国の支援がまさかの「マスク2枚」。「現金給付10万円」についてもいつになるのか分からない。新型コロナは長期戦で、すでに給与の2割カットを実施した中小企業も出ているが、家計が苦しい家庭には支払い猶予や免除という制度がある。

【電気・ガス・水道】最長4カ月の支払い延長が可能

 電力会社やガス会社は経産省の要請を受け、「緊急小口資金・総合支援資金の貸し付け」など国の貸付制度を利用した人を対象に、電気、ガス料金の特別措置を実施している。対象の範囲が厳しい気もするが、東京電力の場合、5月までの電気・ガス料金の支払期日を1カ月間延長している。

 申請をしたい人は、相談窓口(新宿区や豊島区などは℡0120・995・006)に電話するか、インターネット(24時間対応)で手続きが可能だ。

 水道料金は支払期限が4カ月延長できる。

「対象となるのは、コロナ感染拡大に伴い、収入が減少している場合など、支払いが困難な個人と法人になります」(東京都水道局)

【携帯電話】電話申請で5カ月まで支払いを猶予

 NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク各社は携帯電話料金の支払いを猶予している。各社とも窓口業務を縮小しているため、ソフトバンクの場合、支払期限の延長は専用フリーコール℡0800・170・4535に申請する。ワイモバイルは℡0800・170・9102。どちらも平日10時から18時までだ。

「お客さまからのお申し出があった場合、2月以降の料金を5月末日まで支払期限を延長します。ただ、今後の影響次第ではそれ以降の支払期限の延長についても検討しています」(ソフトバンク)

 他社もオンライン受け付けを奨励している。

【NHK】受信料が支払えない人の相談窓口を設置

 NHKでも受信料の免除や支払い猶予などの相談を始めている。平日10時から17時までにNHKの各営業センターに電話して相談する。また、事業者についても一部減免の方向。ただし、相談窓口担当者を減らして対応しているので、電話がつながりにくくなっている。

【住宅ローン】返済に困ったら金融庁の相談ダイヤルへ

 給与の減少で最も影響を受けそうなのが住宅ローンの返済。「フラット35」で知られる住宅金融支援機構は、返済方法の変更などの「返済特例」を行っている。

 対象は、リストラなどで返済困難に陥り、かつ年収が年間総返済額の4倍以下、さらに返済方法の変更により今後の返済を継続できるなどといった条件にすべて当てはまる人。ローン借入先の金融機関、もしくは機構各支店で相談し、連帯債務者を含む収入証明書などを添えて申請。審査が通れば、後日、金融機関から連絡が来る仕組みだ。

 かなりハードルの高い内容となっているが、金融庁が相談ダイヤル℡0120・156・811(平日10時から17時まで)を開設している。また、一般的な「金融機関との間の個別トラブルに関する相談等」については、℡0570・016・811で電話相談を受け付けている。

政府からの要請で民間各社が相次ぎ対応

【国民年金】全額免除でも将来は半分もらえる

 自営業者などが加入する国民年金の保険料の免除基準が緩和された。

 これまでは前年の所得などが基準だったが、現在は月単位で所得が基準を下回った場合も対象。月額1万6540円の保険料が収入と世帯人数に応じ、「全額」「4分の3」「半額」「4分の1」の4段階で免除される。

 当然ながら保険料を払わなければ、将来受け取る額は減らされてしまうが、たとえ全額免除で支払額が「0円」でも、将来受け取る年金が「0円」にならないのがミソ。全額免除でも2分の1の部分が「保険料を納付した」ものとして計算されるのだ。また、いずれ生活に余裕ができたら、65歳未満であれば10年以内の追納(さかのぼって納付)も可能だ。

「全額免除の年収の目安は、夫婦と子供2人の世帯で年収換算257万円未満になります。申請する場合は、本来であれば『国の貸付決定通知書』などをご持参いただくのですが、今回は本人の申し出があれば結構です。市役所窓口、各行政センターで手続きを行ってください」(横須賀市・国民年金課)

 さらに今回の特例で、前年の所得が一定(118万円)以上の学生であっても、アルバイト代などが減っていれば免除の対象となる。

【税金】所得税や住民税は分割払いにする

 新型コロナでも「税金」の督促はいや応なくやってくる。

 ただし、国税は税務署に申請すると「納期限から1年間、納税の猶予が認められる」(新型コロナ税特法第3条)。

 いずれ支払わないといけないお金なので、これを緊急経済対策費と言われても何か釈然としないが、未納で放置しておくと後が怖い。

 一応、税務署に申請すれば、1年間の猶予のほか、分割納付にしてもらえる可能性もある。

 一方、住民税や自動車税などの地方税も同様に猶予が可能で、申請は住んでいる市区町村の窓口で行う。

 企業や店舗への補助はぽつぽつ出てきているが、個人に対する支援はほとんどない。国民は見捨てられてしまったようだが、できる範囲でコロナ不況を乗り切りたい。