緊急事態宣言が解除され、「デパ地下」もほぼ通常通りの営業が再開された。足を運んでみると持ち帰りの食材を求める客の姿が多い。都内では名の知れた寿司店が店頭販売している。お持ち帰り用握りセットを購入して驚いた。1人前1000円前後とコロナ以前よりも安くなっているし、ネタも以前よりも豪華だ。

 コロナ禍による行動自粛、イベント中止の影響で外食産業、ホテル、旅館などの需要が激減し、水産物の卸値が軒並み下がっていることが関係しているようだ。また外国人観光客がいなくなったことで、最高級の天然クロマグロ、ノドグロ、ヒラメ、ウニといった高級水産物も大幅に値下がり。卸売市場では例年の3〜4割安く取引されているという。

 水産物だけにとどまらず、同じく外国人観光客に人気の高級和牛、高級果物なども卸値は例年に比べて大幅に低下傾向にある。ちなみにウナギも稚魚が豊漁で、今後値下がりが予想されている。

 だからといって、流通の問題、コロナのダメージが甚大な仲介業者、販売店の現況を考えると、その恩恵をわれわれ消費者がストレートに享受できるわけではないが、ある市場関係者によれば、コロナの終息が不透明な状況を考えると、高級食材の価格は今後も低下する可能性は高いとか。生産者にとって、まず「絵にかいた高値」よりも、売れることが優先課題なのだ。

 そうなれば、これまで手の届かなかった食材を国内消費者はリーズナブルな価格で味わえることになるかもしれない。

 もちろん、生産者の不幸を喜ぶつもりは毛頭ないが、外国人観光客の代わりに高級食材を、今度は国内の消費者が購入し、それを食べて夏バテを撃退し、そして生産者も潤う。そんな「ウィンウィン」が実現すればいいのだが。