どっちが横綱かわからない取組だった。

 14日、横綱白鵬(34)がまさかの2連敗を喫した。相手は対戦成績20勝1敗とカモにしていた平幕の妙義龍(33)。立ち合いではヒジも張り手も使わず、最初から左下手狙い。これを妙義龍に阻止されると、あっさり突き落とされ土俵に手をついた。

 支度部屋では両目を閉じ、報道陣の問いかけにもほとんど答えず。「2日連続で金星配給は珍しいのでは?」と聞かれると、「……そうかな」と強がった。

 それにしても、エルボーやビンタを使わないと、こうももろいのか。ある親方は「それも対策を取られつつある」と、こう話す。

「先場所の大栄翔は、かち上げを食らいながらも、白鵬を押し出した。顔面狙いのかち上げは低い姿勢で当たってくる相手にこそ効果がある。高い姿勢で胸元めがけて突っ込んできた大栄翔には効果半減でしょう。かち上げは自分も腰高になるという欠点もある。そこに力自慢の大栄翔のぶちかましを食らって後退。再び当たるスペースをつくってしまい、押し出された。2日目の遠藤戦でもヒジ対策を取られた。遠藤は張り手を食らった瞬間、白鵬の右側にずれたのでかち上げは不発だった」

 相性のいい妙義龍には普通にやっても勝てると思ったのだろうが、この有りさまである。

 この日、白鵬が負けるや、他の部屋の力士が宮城野部屋の若い衆に「休場するの?」と聞く場面もあった。序盤で2敗もすれば、さっさとケツをまくると力士たちも思っているということだが、案の定、15日になって休場を発表した。