日本人のルーキー右腕が独自の調整を貫いている。

 ブルージェイズ・山口俊(32)が、フロリダ州ダンイーデンでのキャンプで日本式の投げ込みを行っているのだ。

 キャンプ初日の13日(日本時間14日)には、全体練習終了後、居残りで約10分間の遠投を行った。メジャーでは肩、肘の酷使を避けるため、不必要な投げ込みは禁じられているが、山口は「僕は長い距離を投げないと駄目。それはもう自分の調整法として崩したくない」と話し、今後も日本時代と変わらぬ調整法を貫くという。

 2004年に横浜でプレーしたウォーカー投手コーチは当面、ルーキー右腕のやり方を尊重するようだが、山口は多くの日本人投手と同じ轍を踏むリスクがある。

 山口のように、日本にいた時と同様に、ブルペンや遠投で球数を費やした結果、肩、肘を痛めたケースは少なくない。

 日本と比べて大きく滑りやすいメジャーの公認球は、ただでさえ肩、肘に負担をかける。必要以上の投げ込みが故障を誘発するのだろう。

 有名なのは07年にレッドソックスに移籍した松坂(現西武)だ。渡米1年目のキャンプでは、居残りで投げ込みを行い、シーズン中もブルペンでは他の先発投手よりも多くの球数を投げ込んだ。首脳陣から指示された調整法に不満を漏らし、監督批判をしてチームから厳重注意を受けたこともあった。09年以降は度重なる故障に苦しんだ揚げ句、11年には右肘の靱帯を修復するトミー・ジョン手術を受けた。

 ルーキー右腕は先人たちの失敗を教訓にした方がよさそうだ。