本人もそう思っているのではないか。

 国際オリンピック委員会(IOC)は新型コロナウイルス感染拡大に伴い、東京五輪について延期を含めた検討に入るや、東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(82)は22日午後10時前(日本時間)、バッハ会長とテレビ会議を行ったことを23日の会見で明らかにした。

 会議で合意したことは次の2点だという。

「中止は一切議論しないこと。双方で今後何ができるか、どうするのか議論して考え方をまとめる」

「最初から延長(延期)ではないが、延長についても議論しないわけにはいかない。4週間かけてシナリオを作り上げる」

 新型コロナウイルスが世界に蔓延。各国の五輪委員会、競技団体、アスリートから批判が続出。予定通り7月開幕にこだわるバッハ会長も、ようやく開催延期に動き出したわけだが、そうなると一番の問題は延期開催の時期である。

 アスリートへの影響が最も少ないのは今年の秋だが、米国では人気のアメフトやプロバスケットが開幕し、大リーグのワールドシリーズもある。莫大な放映権料でIOCを支える米NBCが「イエス」というだろうか。しかも、欧米の状況を見る限り、あと6カ月で感染拡大が終息するとは、とても思えない。

■選手村マンション引き渡しは23年3月から

 1年先の夏から秋にかけては、以下のようにスポーツのビッグイベントが目白押しだ。

 6月サッカー欧州選手権
 7月世界水泳(福岡)
 8月世界陸上(米国)
 9月女子ラグビーW杯(ニュージーランド)
 10月世界体操(デンマーク)

 2月に北京冬季五輪が開催される2022年なら、夏に大きなスポーツイベントはない。それが「2年延期説」の大きな根拠になっている。

「しかし、2年先というのはあまりに遠い話です」と、組織委員会の関係者がこう語る。

「一部には森会長の体を心配する声が出ている。2002年に前立腺がんを手術した森会長は、15年には肺がんの手術も受けた。その後再発し、抗がん剤の副作用で体調を崩した。免疫療法薬のオプジーボを投与してとりあえず元気になったが、今年の7月で83歳です。奥さまには『いつ死んでもいいように覚悟はできている』と言っているそうですが、がんの再発に不安を抱えている。この2、3年でめっきり体力は衰え、声も通らなくなっています。不謹慎ですが、2年延期なら開幕式に出られるかどうか。森会長はどうしても東京五輪を成功させてあの世に行きたいと漏らしているそうです。2年は遠いですよ」

 森会長のためだけではない。

 2年延期なら選手の勢力図はがらりと変わる。国立競技場などの競技会場の確保や維持費の問題、23年3月から始まる選手村のマンション引き渡しも、1年延期なら痛手は小さい。

「来年の世界水泳、世界陸上を1年延期してくれたら、そこで東京五輪を開催できる」と前出の関係者は言う。バッハ会長と森会長はこの4週間で、どんなシナリオを書き上げるのか。