レギュラーシーズンの開幕延期が決まっている米大リーグで、異常事態である。

 各球団とも、エース級投手の離脱が相次いでいるのだ。今キャンプ、オープン戦では、ヤンキースの右腕セベリーノ、レッドソックスの左腕セールが肘の靱帯を修復するトミー・ジョン(TJ)手術を決断。この2人以外にも、今季の飛躍を期待されたジャイアンツの右腕ビード、タイガースの左腕ウェンツ、パドレスの右腕ムニョスが同様に肘にメスを入れた。開幕前に5人がTJ手術を受けるのは前代未聞だが、コロナウイルス蔓延により、開幕が延期されて離脱期間が少なく済むためだとみられる。

 ア・リーグ東地区強豪のエース2人の長期離脱は、優勝争いの行方を左右しかねない。中でも同一地区のレイズも含めて混戦模様が予想される中、日本人ルーキーにとっては追い風になる。他でもない、今季レイズに入団した筒香嘉智(28)だ。何しろ、セール、セベリーノとも左打者に対して抜群の強さを発揮してきたからだ。

 左腕のセールは昨季までの10年間で左打者に対して1189打数240安打の被打率・202、12被本塁打、400奪三振。昨季、リーグ4位の打率・311をマークした14年シルバースラッガー賞のブラントリーを通算41打数8安打(打率・195)に抑えるなど、リーグを代表する左打者をカモにしている。

 一方の右腕セベリーノにしても934打数223安打の被打率・239、25被本塁打、274奪三振。160キロ近い速球で内角を攻める強気な投球で、各球団の左打者を震え上がらせてきた。

 筒香はオープン戦12試合に出場し、28打数5安打の打率・179、1本塁打、3打点。三振数はチームトップの13個を喫しており、メジャーの投手への適応に苦戦していたが、キャッシュ監督は「ヨシ(筒香)は中軸を任せられる存在だ。厳しい球を見送る選球眼を持ち合わせているのは、彼の強みだ」と、期待を口にしている。

 筒香はコロナウイルスショックが吉と出そうだ。