【世界ゴルフ新潮流】

 日本男子ツアーはこの期に及んでもまだ危機感が希薄のようだ。

 主だったツアープロ41人が「安心してプレーできない」と要求した3理事が解任されるのか、それとも青木功会長が腹心の3理事を守るのか、が注目された「第8回定時社員総会」が25日に都内ホテルで行われた。しかし問題とされた上田昌孝専務理事、宇治重喜理事、村田一治理事はそろって留任した。

 ただし、午後2時から始まった総会は尋常ではなかった。総会への出席人数も明かされなかったが、出席者によると、青木会長が用意した原案に石川遼、時松隆光、市原弘大、星野陸也の4選手が反対した。ところが、無視されるようにどんどん議事が進められた。

 また、「原案賛成が過半数に達した」と発表したが、総会出席者にも賛成票、反対票の数は最後まで開示されなかった。そして、新体制スタート後には記者会見が行われ、青木会長との質疑応答が行われるのが恒例だが、それもなかった。

 青木会長はフォトセッションが終わると、そそくさと用事があるからと帰ってしまった。代わりに弁護士の野村修也理事が囲み取材に応じ、「原案通り過半数に達し、粛々と何事もなく進んだ。議論も要望もなくスムーズに総会が終わりました」「嘆願書の存在もはっきりしない」「嘆願書や理事解任に関する議論もなかった」と言って、5時40分ごろに終わった。

 青木会長は続投するが、やらなければならない問題は山積している。まず、自身と取り巻きの執行部が犯してきた不始末による不信感を払拭して、信頼を取り戻すことだ。例を挙げれば、青木会長による非礼、不適切対応で日本最高額の「ISPSハンダマッチプレー選手権」の主催者を激怒させ、消滅させてしまったことを丁重にわび、復活をお願いすること。

 また今年からスタートする新大会「ザ・トップ」は当初「岐阜関CC」に会場が決定したが、青木会長と村田一治理事の不適切対応で開催が暗礁に乗り上げている。

 岐阜関CCは「二度とプロの競技は引き受けない」と不信感をあらわにしている。同コースへのおわびと今後の調整、選手やファンへのきちんとした説明責任を果たすこと。さらにZOZO選手権が日本ツアーの日程からなぜ外れたのか具体的な説明もすべきだ。

■失策の責任も取らずに…

「試合数を増やす」ことが青木会長に託された最大使命であるにもかかわらず、逆に試合数を減らし、足を引っ張ってきた。社会の一般常識ならトップと執行部はこうした失策の責任を取って辞任するのが当たり前だ。それが通用しない組織なのだ。

 青木会長は「定時社員総会」前にツアープロに、続投を懇願する手紙を送っている。その手紙に「根も葉もないフェイクニュースが流され、理事候補への誹謗中傷が行われている」と訴えている。それならフェイクニュースが何か、一つ一つ説明をする責任もある。青木会長とJGTO組織への不信感はプロや内部スタッフだけでなく、広く世間にも知れ渡っており、責任は重大だ。

 帰り際に、「おかげさまで選んでいただいて、あと2年頑張りますよ」とうれしそうに言い残してホテルを後にした。青木会長はよほどの覚悟で取り組まないと男子ツアー消滅の危機にもなりかねないのだが、それをしっかり理解できているのか疑問だ。

(宮崎紘一・ゴルフジャーナリスト)