それを思い上がりというのではないか。

 先日、全国高等学校体育連盟(全国高体連)が、30競技の高校日本一を決める今年度の全国高校総体(インターハイ)の中止を決めた。

 インターハイは1963年から毎年行われており、中止は史上初めてのことだが、その高体連とは別組織の日本高等学校野球連盟(高野連)は4月28日、小倉好正事務局長が報道陣の取材に文書で回答。6月20日の沖縄から開幕する地方大会と甲子園大会の無観客開催について否定せず、「あらゆる状況を想定して協議、検討を行う予定です」という方針を明らかにしたのだ。

 新型コロナウイルス感染拡大で多くのスポーツイベントが中止になっている中、高野連が大会の開催を模索しているのは、全国の高校球児のことを考えてのことだろうが、インターハイの中止を決めた全国高体連の岡田正治会長は全国120万人の高校生へ向けてこう呼びかけた。

「高校スポーツ最大の祭典、夢の舞台を中止とした判断の向こうには、大きな悲しみがあることは痛いほど承知しております。ただ、皆さんの夢を奪うものではなく安全・安心や命を守るためでした。インターハイをはじめとする部活動、運動の目的は、心身の健全な育成にある。この状況下で開催することは、その目的から大きく外れることになる。自分を、他人を守る対策を取っていただくよう、お願いいたします」

 スポーツライターの津田俊樹氏(国士舘大非常勤講師)が言う。

「中止にするなら早く知らせる方が生徒のためです。高体連会長が語った『部活動の目的は心身の健全な育成にある。この状況下で開催することは、その目的から大きく外れることになる』というのは高校野球でも同じ。しかし、高野連は今も夏の大会の中止を決めていない。春のセンバツは毎日新聞、夏の甲子園は朝日新聞という大新聞社が主催し、大会はNHKが中継する。『国民的行事になっているので高校野球は陸上や水泳とは違う』という特別意識があるのでしょう」

■「高野連は変わる時に来ている」

 センバツ大会は結局中止になったが、高野連は開催の道を探っていた際、八田英二会長は「ほかの競技と同じように中止にするのは簡単だが、夢の実現のために大人としてできることは最後までやってあげたい」と語っていた。この発言こそ高野連の体質そのものだ。

 前出の津田氏が続ける。

「高野連の考え違いは、高校野球を報じてきたスポーツマスコミの責任でもある。プロ入りの裏で動く金のことや私腹を肥やす指導者、暴力事件などに目を伏せて、読者受けする美談仕立ての記事ばかり。高校野球の実態を正しく報じてこなかったことが、今の高野連をつくったといっても過言ではない。そもそも今は練習ができている学校はごくわずか。生徒たちは試合をしても不公平な環境にある。公正というスポーツの原点も崩れている。それでも大会開催を考えているのは見苦しいです。選手の気持ちは野球も陸上も同じ。高野連は変わる時に来ているのです」

 センバツ無観客開催案が出たときと同様、今回もネット上では高校野球開催に批判の声が多い。その声は日増しに増えるに違いない。