今やスポーツイベントの中止は当たり前だが、春の選抜高校野球の中止は衝撃的だった。決定は3月11日だったが、この頃の感染者は、クルーズ船の約700人を含めて約1300人。今は1万4000人を超え、10倍超に膨れ上がっている。

 無観客試合での準備を進めながら、一転中止になり、落胆は大きかったが、夏に向けて気持ちを切り替える球児も少なくなかった。

 しかし、夏の開催も暗雲が立ち込める。センバツ中止決定以降、みるみる感染は拡大。全国に緊急事態宣言が出されても、いまだに終息の兆しは見えない。

 今年の夏の甲子園は、8月10〜25日の開催予定。6月下旬から地方予選が始まる。「中止か開催かを決めるリミットは5月いっぱいか」(高校野球担当記者)というから、5月のGW明け以降、終息に向かわなければ、開催は難しくなる。

 大阪・池田市の温泉旅館「不死王閣」は、35年前から春夏の甲子園開催中、球児に宿を提供してきた。昨年春は龍谷大平安(京都)、夏は立命館宇治(京都)、近江(滋賀)の宿泊先だった。今年のセンバツは、大分商が宿泊する予定だった。「不死王閣」は5月下旬まで休業中だ。岡本厚社長がこう言う。

「春のセンバツ中止の時は、夏があるということで、球児たちは前を向けました。夏まで中止になると、うーん、皆、ガッカリしてしまうでしょうね。夏は、地方予選があるので、日程的にタイトだとは思いますが、無観客試合でもいいから、何とか開催にこぎ着けてほしいと思っています」

 球児に夏はやって来るのか。