自粛という大きな壁は依然として立ちはだかったままだ。

 5月場所の中止が決定した大相撲。戦後の1946年夏場所(6月)、八百長騒動の渦中だった2011年3月場所に続き、史上3度目の本場所中止である。

 次の7月場所(19日初日予定)まで約2カ月半。今は外出も相撲を取る稽古もできない。

 一方で、ケガをしている力士にとっては「むしろプラス」という声もあるが、本当にそうなのか。

 陸奥親方(元大関霧島)は日刊ゲンダイの取材に「ウチには腰の悪い力士がいる。でも、今は大きな病院は怖い。なるべく小さな病院を探しています」と話していた。

 また別の親方は「接骨院で治療しなきゃいけない力士がいるけど、正直、待合室などでの感染が心配で行かせていいものかどうか……」と、心情を吐露する。

 大半の力士には問題なくとも、定期的な治療が必要な力士にとっては逆に悶々とした時間が続きそうだ。

 さらに、最近は外部からの「投書」にも悩まされているという。ある親方は「ヘンな投書が協会や相撲部屋に届くんです」と、こう続ける。

「どこそこの力士が、いついつに外出してたとか、そういう類いのものです。ほとんどが無記名で、事実無根なんですよ。その時間にアリバイのあった力士もいたし、ちゃんこの買い出しに行っただけの姿を目撃されたケースもある。単なる嫌がらせですよ」

 新型コロナによる自粛疲れからか、「公園で大勢の子供たちが遊んでいた」など、つまらない通報も多い昨今。彼らにとって外出する力士はストレス解消のはけ口になっているようだ。