今年1月に遠征先のマレーシアで交通事故に遭い、一時は競技人生も危ぶまれたバドミントン男子シングルス世界ランキング1位の桃田賢斗(25)が、26日にオンライン会見に応じた。

 事故時に右眼窩底骨折し、低下した視力について「全く問題はない。前と同じように見えている」と説明した。すでにコートで本格的な練習を再開しており「トレーナーのサポートを受け、体も全く問題なく元気にプレーできている。気持ちの面も含めて100%の状態」と、順調な回復ぶりをアピール。金メダルを期待される来年の東京五輪については「(延期されて)先が見えない中でも取り組む姿勢を変えないことが、今後につながってくるのではないか」と前向きに話した。今後の課題については「まだ足りない部分がある」と、攻撃面の精度向上を図る意向だ。

 事故で約2カ月間の離脱を強いられた上に、コロナ禍で実戦から遠ざかっていることもあり、スマッシュやショットの微調整が必要になるという。

 桃田といえば、世界屈指といわれるヘアピン(相手側のネット前に落とすショット)が武器。ジュニア時代からヘアピンの練習を繰り返してきたこともあり、今では相手の動きに合わせ、シャトル(羽)の高さをミリ単位で調整し、打ち分けているそうだ。

 このヘアピンの成否は手首と指先の感覚によって大きく左右する。個人差はあるものの、トップ選手でも習得に時間がかかるとされている。桃田は負傷、コロナ禍によるブランクが長く、ショットの感覚に狂いが生じていても不思議ではない。復帰戦は未定だが、東京五輪までに世界屈指のヘアピンを取り戻せるか。