3月11日で東日本大震災の発生から9年の時が刻まれる。日本記者クラブ取材団の一員として日刊スポーツ文化社会部の大上悟記者(58)が2月上旬、福島第1原発の敷地内に入った。廃炉へ向けての道のりは険しい。核燃料棒の除去、汚染水の処理、除染土の中間貯蔵施設など難問は山積している。。

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汚染水処理の難問が沸き上がっている。福島第1原発の敷地内に流入して汚染された地下水や雨水は、複数の浄化設備を経て、セシウムなどの放射性物質が除去された処理水となる。処理水は昨年度、平均で1日に約170トン発生。トリチウムを除く大部分の核物質が除去された処理水の貯蔵タンクは約968基、貯蔵量は約137万トン(1月9日時点)に達している。

年間の処理水増加量は約5〜6万トンと見込まれ、タンクエリアの確保が難しくなっている。そのため、処理水を海洋放出するか、水蒸気放出して大気中に拡散させる処分方法が検討されている。

地元の漁業、農業関係者からは風評被害を懸念する。トリチウムは弱い放射能を出す物質で自然界にも存在する。国内や海外の原子力発電所でもトリチウムを含む基準値内の処理水が排出されているが、処理水の行方は決まらないままだ。