<週中ベースボール>

プラスチックバットを使って投げ方を学ぼう! ソフトバンク工藤公康監督(56)が昨年12月、神宮室内練習場で行われた二十一世紀倶楽部「チャリティ・キッズ・ベースボール・スクール2019」に参加しました。現役時代から26年連続の登場。13チーム約130人の小学生に投球の基本を、プラスチックバットと発泡スチロール製ボールを使う独特の方法で指導しました。

毎年恒例となった野球教室。通算224勝左腕の工藤監督が、投球指導のために用意したのは、軟式球ではなく、プラスチック製のカラーバットでした。

工藤監督 しっかり肘を上げて、体の前で振り下ろす。足を上げて前に踏み出して振ろう。(体が)グラグラしちゃだめだよ!

子供たちの体の少し前にバットを差し出し、それを上から強くたたくイメージで振らせます。投球で重要となるトップの位置をしっかり作ること、体を大きく使って腕を振ることを自然と覚え込ませると、初めは小さかった子供たちの動きが、次第にダイナミックになっていきます。

ひと通り「フォーム固め」をした後に取り出したのが、発泡スチロール製の軽いボール。余分な力が入ると、ピンポン球のように上下左右に変化して、真っすぐに飛びません。工藤監督はきれいな直球を投げて手本を示すと、キャッチャー役となります。ところが正確に構えた範囲に来ないボールは捕らず、子供たちに拾いに行かせます。

工藤監督 ピッチャーをやるからにはストライクが入らないとね。卵を持っているくらい柔らかい感じで握ってください。どうすれば真っすぐ投げられるか考えながらやろう!

指導中は「トップ」や「リリース」などの専門用語はほとんど使わず、丁寧にゆっくり説明。そのたびに「いいですか?」「分かりましたか?」と確認します。最初はきれいに真っすぐ投げられなかった子どもたちも、何度か投げるうちに自ら工夫し、次第にこつをつかんでいきました。

キャッチボールの重要性については、野球教室の冒頭で、全員を前に強調しました。

工藤監督 ちゃんと相手の胸に投げること。プロ野球選手でも一番大事なのはキャッチボールです。バッティングが大好きでも、キャッチボールだけは絶対にやってください。しっかり踏み出して、投げた後も片足で立てるくらいのバランスで。捕るときはグローブだけでいかないこと。体ごと動いて捕りに行くことを心がけてください。

上達のこつは「まねをすること」と何度も強調しました。

工藤監督 うまくなるには、動画を見たりして、あこがれの選手のまねをしてください。

最後は各チームの選手たちと記念撮影。野球を楽しむこと、仲間を大切にすることを呼びかけました。

工藤監督 楽しくないと、うまくならない。野球を好きになること。チームのみんながいるから、野球が出来ることを忘れないでください。苦しいと思わずに練習を積み重ねて、夢をつかんでほしいと思います。これからも頑張って!

指導を終えた工藤監督は「何か1つでもきっかけを与えられたら。30年、35年、40年…体の続く限り続けていきたい」と満足げな表情。今後もユニークな方法と、変わらぬ情熱で、子供たちの夢をサポートしていくことを誓いました。【鈴木正章】