<ザ・ピンポイント>

<練習試合:楽天2−1日本ハム>◇13日◇沖縄・名護

日本ハム金子弌大投手(36)は1度だけ、首を振った。先発した楽天との練習試合の2回。先頭の内田へカウント1−1からの3球目を投げる前だった。「どのカウントでも投げられる球ではない。自分の有利なカウントで投げておきたかった」。選んだ球種は、球場表示で107キロのカーブ。縦割れしながら見逃しストライクを奪った。この日がプロ16年目の初実戦マウンド。ある程度、制球できた直球とともに挙げた収穫が、全24球の中で1球だけ投げたカーブだった。

これまで、自身のカーブへの評価は厳しいものだった。「僕の中で、変化球でストライクを取ることに関して、一番信用していない球なので」。カウントを整えていく過程で、計算しづらい球種だったという。「今しかできないことをしっかりやりたい」と考える中で絶好のシチュエーションを迎えた。迷いなく清水のサインに首を振り、最高の結果を得た。「カーブでストライクが取れたことが僕の中で、よかったかな」とレベルアップを実感するシーンだったようだ。

この日の名護は強風が吹き荒れていた。試合開始時の午後1時ごろは中堅から本塁方向へ約8・2メートル。決して良いとは言えないコンディションの中で、カーブを制球しきれたことも大きい。シュート、スライダー、チェンジアップ、カットボール、フォークなど全ての球種が一級品でカーブも肩を並べられるか−。キレのある直球をベースに、勝負の選択肢を増やせそうな1球を投げられたことが、金子の初実戦のマウンド価値を高めた。【木下大輔】