南国に大きな衝撃を残した。ロッテの石垣島1軍キャンプ最終日の13日、ドラフト1位の佐々木朗希投手(18=大船渡)がプロ入り後初めて、ブルペン投球を行った。柿沼友哉捕手(26)を相手に、約5分間で25球。佐々木朗本人は首をひねるも、井口資仁監督(45)ら首脳陣からは力強い直球を絶賛された。14日以降も1軍の沖縄本島遠征に同行するため、この日の練習後に那覇入り。実戦デビューへの階段を着実に上がる。

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「うわー…」という感嘆の声が、ブルペンのあちこちから漏れた。初めての佐々木朗に、その快速球に、ブルペンを囲んだ約300人が、ワクワクを抑えきれなかった。

最速163キロ右腕に無数の視線とカメラが向けられる。スピードガンはなく、1軍捕手たちが体感を口にした。球を受けた柿沼は「体感で155キロくらい出ていたんじゃないかと」と言い、柿沼とのじゃんけんに敗れて後方に退いた田村は「目測ですが153、154キロくらい出ていたのでは」と評した。

実際のスピードは分からない。それでも、この投手はすごい−。そう思わせる5分間、25球だった。井口監督は「想像をはるかに超えていましたね。今年ブルペンを見た中で、すでにNO・1かなと」と驚きの言葉を口にした。経験豊富な石川、美馬、益田。生きのいい種市、二木、岩下。彼らを差し置いてのNO・1評価に、衝撃の大きさがうかがい知れた。

指揮官は、現役時代に対戦経験のあるカブス・ダルビッシュ、エンゼルス大谷と比較し「2人とは全く違うタイプと感じました」と加えた。特に回転量の多さが目に留まったという。「スピンが利いて、捕手のミットに突き刺さるような投球をしていました」とうなった。

吉井1軍投手コーチは「すごかったです。驚いていたので、細かいところは見てないです」と続けた。きめ細かな指導に定評があり、綿密な計画で育成している名コーチの大ざっぱな感想がむしろ、佐々木朗の衝撃を物語る。「あんな球投げるやつ、見たことないです」と付け加えた。

国際経験豊富な首脳陣からの、リップサービスを超えた賛辞。そんな評価とは対照的に、投げた佐々木朗に笑顔はなかった。「全体的にダメだったと思います」と初のブルペン投球を振り返った。今後は1軍遠征に同行し、コンディションを見ながら、投球練習の強度を上げていく。捕手が座ってのブルペン投球は25日以降になる見込み。佐々木朗が自身に満足する時、どれほどの衝撃がもたらされるのだろうか。【金子真仁】

○…佐々木朗の捕手役は、田村とのじゃんけんを制した柿沼が務めた。「初めての感覚でした。体感で155キロくらい出てたんじゃないかと感じました」と感想を話した。捕球した左腕が少し張ったという。チョキで敗れた田村も、柿沼の背後で視察。「目測ですが153、154キロくらい出ていたのでは」と衝撃を受けていた。