たった1人のブルペンがショーと化した。ロッテのドラフト1位、佐々木朗希投手(18=大船渡)がキャッチボールを終えてグラウンドから移動すると、練習を終えた中日投手陣がぞろぞろと入室。“開演”の時を待った。

本番は静かに始まった。数球の試運転の後、吉井投手コーチの「5分!」の声でスタート。立った状態の捕手に向かって、直球のみを24球。同業者のギャラリーから「速え〜」「すごい」の声が飛んだ。

13日の石垣島に続いて、プロ入り後2度目のブルペン入りだ。1度目は納得できる球が1つもなかった。今回は「投げたいように投げられた。全体的にまとまっていてよかった」と上々の出来。吉井コーチが「気持ちよさそうに投げていたので」と、時間延長を打診しにいったほどだった。

1度目は中腰の捕手に25球。14日には平地で座った捕手に33球を投げた。球数も増えず、ぱっと見ではわかりにくいが着実に前進している。吉井コーチは「いい球と悪い球が自分で分かるようになったと言っていた。感覚が上がってきた証拠」とうなずく。初めて受けた小池ブルペン捕手は「とにかく速い。躍動感でさらに大きく見えた」と目を見開いた。体感で150キロは超えていたという。

沖縄本島で実戦続きのロッテが、相手球場を借りて練習するという独特のスタイルによって実現したブルペンショーは、くしくも他球団からの注目の高さを見せつけた。「投げている時は視界に入らなかったので、大丈夫でした」と無心で集中した。次回は中2日の18日以降。主演は自らトンボをかけ、丁寧に土をならして“舞台”を降りた。【鎌田良美】