<中日5−0阪神>◇30日◇ナゴヤドーム

先輩の威厳は保った。中日柳裕也投手(26)が7回3安打無失点の好投で、今季初勝利を飾った。「自分で意図をしっかり持って厳しいところに投げられ、粘りにつながった」。要所で自慢の制球力を発揮し、2併殺で7奪三振と阪神打線を手玉に取った。

後輩の投球に刺激を受けた。6月28日にナゴヤドームで広島のドラフト1位森下が味方打線を9回途中まで3失点に抑え、プロ初勝利を挙げた。母校明大では3学年下。ドラフト1位で主将と共通点は多い。「やっぱりすごい球を投げるなと思いました。(明大に)入ってきた時から素晴らしい選手だった」と感心しきりだった。森下は多彩な変化球で開幕から好投を続けるが、柳も負けてはいない。4回先頭の糸井には今季マスターした新球シンカーで空振り三振。4回1死一、二塁では6番サンズを116キロカーブで三ゴロ併殺に打ち取った。

昨年は自身初の2ケタ勝利(11勝)を挙げ、今季は開幕投手の大野雄とともに先発陣の軸を務める。今季初登板の6月23日DeNA戦(横浜)では、6回10安打3失点。同学年の左腕浜口との投げ合いに敗れた。試合後、伊東ヘッドコーチから金言をもらっていた。「こういう試合が今年は増える。勝つことで成長できる」。カード初戦の登板で好投手との対決が増える。この経験がさらに成長につながる。この日は阪神青柳と中盤まで投手戦を展開し、粘り強く投げた。

中日は開幕3カードで3勝6敗と大きく負け越した。先発陣の不調が痛かった。投壊の危機を4年目右腕が救った。「早く家に帰ってボールを届けたい」。昨年12月に第1子となる長男を授かった。重責を担った右腕は笑顔で帰路についた。【伊東大介】

▽中日与田監督(柳の好投について)「制球が非常に良かった。緩急をうまく使えた。配球も木下拓がうまくリードした」

▽中日木下拓(柳を好リード)「柳のコントロールが序盤から良かった。1球1球、丁寧にリードに応えてくれた」