決断の地アメリカへ、いざ−。DeNAからポスティング制度を利用し、レイズ入りした筒香嘉智外野手(28)が13日、羽田空港から渡米した。昨シーズン後にメジャー挑戦を表明し、レ軍と2年総額1200万ドル(約13億2000万円)で契約合意。メジャー30球団の首脳、代理人が一堂に集うウインターミーティング(WM)開催直前の昨年12月6日に米国へ渡り、同12日に断を下した。現地での交渉はどのように進んだのか。舞台裏に迫る。【取材・構成=為田聡史】

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かつてロッテ、楽天で通訳を務め、レイズの国際スカウトとして筒香獲得に尽力した内堀立城氏(47)が、獲得の狙いを明かした。同氏が筒香の本格的な調査を始めて6〜7年。目立つのは毎年打撃が変化し、向上していることだという。

内堀 毎年、自分で課題をつくり、打撃を変えている印象がある。見たところ日本の投手に対して変えるのではなく、米国で挑戦するために変えている。昨季は三振こそ増えたが、彼の中ではそれにも意味があるのだろう。現に打球にもっと角度がつくようになった。そうやって周到に準備してMLBに移籍した選手は多くない。松井秀喜やイチロー、そしてレイズでワールドシリーズに出場した岩村明憲ら成功した選手はやっていたと思う。

期待するのは長打率と出塁率。内堀氏が特に評価するのが逆方向への打球の強さだ。

内堀 筒香選手は逆方向への打球がすごく伸びる。実は米国でもフィールドの全方向を使える左打者は少なくて貴重。MLBでは守備のシフトがトレンドになっているが、こういう打者にはシフトが通用しない。投手が左右どちらでも打てるのも魅力だ。

関係者から筒香の人間性まで細かく聞き出してオファーを出したという。

内堀 主将として外国人選手も含めてどうやってチームをまとめたのか、いろいろ話を聞いていた。自分のことだけでなく、チーム全体を見ることができる。僕らは技術と同様に、もしくはそれ以上に人間性も評価している。

守備面を心配する声もあるが、同氏は「筒香選手は捕れる球を確実に捕球し、確実にアウトにできる。シフトを敷いた守備の中で、それがより生きる」と心配していない。レイズはこれまで岩村や松井秀らを獲得し、日本人が快適に生活できるノウハウも熟知。さらに体のケアについては福田紳一郎トレーナーに日本語で相談できる。筒香が活躍する環境は整っている。