男子より先に、悲願の大旗白河越えだ! 今年4月に誕生する花巻東(岩手)女子硬式野球部の「創部・新監督就任会見」が25日、花巻市内の同校で行われ、社会人野球トヨタ自動車東日本(岩手)前監督の三鬼賢常新監督(58)が近い将来の日本一を目標に掲げた。1期生は新2年生2人に新入生10人を加えた計12人。甲子園準V経験のある男子硬式野球部に負けじと、4月7日の入学式以降に始動する。

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三鬼新監督は女子版の大谷育成にも期待を膨らませた。「(マリナーズ)菊池雄星選手、(エンゼルス)大谷翔平選手と大リーガーを輩出しているところを見てきました。女子も野球が大好きなことは大事ですし、人間としても良い社会人になれるように指導していければ」。女子野球のレベルも完全に把握してはいないが「男子も『岩手から日本一』の目標がある。女子が東北で最初に、優勝旗を岩手に持って来られれば良いかなと思う」と所信表明した。

12年創部のトヨタ自動車東日本でも初代監督として部員13人からスタート。18年に都市対抗野球初出場を導いた経験も生かす。三重県出身だが、クラブチームのオール江刺でプレーするなど、監督を含めて岩手生活28年目。先月に打診を受け「女の人の扱いはどうしていったら良いのかと悩むところもあったのですが、女子野球の成長だけでなく、自分も学んでいけると思った」と受諾。同社からの派遣契約のため、監督と社業の“二刀流”。第2の故郷への恩返しの気持ちも強く、新たな挑戦を決断した。

来月7日の入学式での初対面も心待ちにする。選手は全員が野球経験者だ。「1人1人の技量も観察して、個性を生かしたい。苦しい思いもしないと、楽しい思いは来ない。最近は女子のほうがガンガンくる子が多いので、そのへんは楽しみ」と笑顔。練習場所は花巻市の協力もあって、可能な限り確保。県内の男子中学生チームなどとも練習試合を重ねる予定だ。東北では全国準優勝経験のある強豪クラーク仙台(宮城)に続く2校目。公式戦は今秋からの参戦となる。【鎌田直秀】

○…現在は軟式野球部に所属する2人の在校生1期生も胸躍らせた。主将候補の河野瑠生投手(写真は東北題字)は、兄幹さんも同校野球部OBで13年夏の甲子園4強メンバー投手。男子同様のグレーと紫を基調とした新ユニホームを前に「大谷さんやお兄ちゃんと一緒だ〜、って感じでうれしい。日本一を目指せる集団になっていけたら」。会見を後方で見つめた田口雛乃内野手(同題字)も、三鬼監督に対し「親しみやすそうな方」と好印象だった。