<特別編>

日刊スポーツ大相撲評論家の高砂親方(元大関朝潮)に、部屋の近況や開催を目指す7月場所(19日初日、両国国技館)への思いなどを語ってもらう不定期連載「大ちゃん大分析〜特別編〜」。5回目は、弟子の朝乃山が昇進して迎える「大関」について語ります。

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朝乃山が大関として初めて臨む晴れの本場所が、1場所延びた。まあ焦ることはない。稽古の方も、部屋の関取衆や幕下と1日10番から15番、取っている。ケガもなく体の張りも、今のところ問題ない。初日まで3週間以上ある。じっくり腰を据えてやればいい。

自分が新大関になった時のことを思い出すな。37年前の夏場所か。今も大関以上は国技館の地下駐車場に入れるように、自分専用の車で場所入りできて、うれしかった。同時に身が引き締まる思いもした。公式行事も「三役以上」が出席できるものもあるけど、やっぱり「横綱、大関だけ」となると格が違う。そんな時は背負う「看板」の2文字の重さを感じた。大関とりに挑戦する時は、マスコミも勝って騒いでくれるけど大関は勝って当然。「負けて騒がれるのか…」と地位の違いを思い知らされた。

もちろん大関になって初めて感じることばかりだ。だから今の朝乃山に、アレやコレや言っても始まらない。最近の大関は、かど番が多いから、それは困るけど、あとは自分が経験して初めて分かること。無心になって臨めば道はおのずと開ける。(日刊スポーツ評論家)