<大相撲夏場所>◇8日目◇19日◇両国国技館

 

新序出世披露が行われ、体格基準撤廃により12年ぶり復活の2次検査で新弟子検査を合格した史上最小兵、身長160センチの琴元村(15=佐渡ケ嶽)ら7人が化粧まわし姿で土俵に上がった。

館内に「琴元村」の名前がアナウンスが流れて立ち上がると、ひときわ大きな歓声と拍手を浴びた。元大関琴奨菊の秀ノ山親方(40)が現役時代につけていた菊の模様入り化粧まわしを締めた。「親方が準備してくれた。自分は内弟子なので。すごく重いです」。引きずらないように少し高い位置でギュッと締め、緊張の面持ちだった。

前相撲で、同期生から“初勝利”を挙げたが「お客さんがいたので違う緊張感があった。まだまだ(国技館の)土俵は緊張する」と心境を明かした。

佐賀・北方小2年時から北方相撲クラブで競技を始め、小4時には福岡・柳川市の大会で優勝。「琴奨菊チーム」の一員として白鵬杯に出場し、技能賞を受賞した経験もある。相撲の取り口としては「炎鵬関のように」としたが、「土俵では厳しいですが、土俵外ではすごく優しい親方みたいな力士になりたいです」と秀ノ山親方の背中に憧れている。

「まずは体をつくって勝てる体に。食べるのもトレーニングと言われているので、ご飯は1食3杯。タンパク質も多くとるようにしています」。もともと食が細く、白米を丼3杯は至難の業だ。「納豆で食べています」。好物をおかずに胃袋に詰め込む日々だ。「まだ15歳なので背は伸びるはずです。毎日夜に牛乳500ミリリットル飲んでいます」と笑った。【鎌田直秀】

◆琴元村康誠(こともとむら・こうせい)本名・元村康誠。2008年(平20)8月14日生まれ、佐賀・武雄市出身。北方小2年時に北方相撲クラブで競技を始め、北方中3年時には全中団体戦ベスト8。160センチ、68キロ。家族は両親と姉2人。2人の姉には子供がおり「すでにおじさんです」。趣味はボウリング。

その他の新序出世力士は以下の通り。

▽菊池(15=二子山)京都市西京区出身。175センチ、105キロ。

▽宮富士(18=伊勢ケ浜)静岡・富士宮市出身。173センチ、140キロ。

▽五十嵐(19=境川)山形・米沢市出身、190センチ、133キロ。

▽宮崎(22=境川)高知・土佐清水市出身。175センチ、128キロ。

▽結山(18=放駒)東京・文京区出身。188センチ、104キロ。

▽山田(19=二所ノ関)青森市出身、二所ノ関部屋、173センチ、75キロ。