<大相撲夏場所>◇10日目◇21日◇東京・両国国技館

優勝争いは、中盤を終え2敗で3人がトップを走るものの、後続も1差の3敗で7人が追う展開だ。大混戦のまま、勝負の後半戦5日間を迎えることになった。

そんな中、この日の幕内後半戦の審判長を務めた審判部の高田川部長(元関脇安芸乃島)は、優勝争いには絡まない、ある力士をキーマンに指名した。「元気ですよね。なんで(途中)休場したのか分からないけど(休場中に)何かあったんですかね? 分からないけど」と評した西前頭3枚目の高安(34=田子ノ浦)だ。

初日から連勝も、腰を痛め3日目から休場。痛みが和らいだのか前日の9日目から休場すると、大関豊昇龍(24=立浪)を力強い相撲で下すと、勢いそのままに、この日も大関琴桜(26=佐渡ケ嶽)を上手投げで破り4勝1敗5休。まだ2つの負け越しがあり腰の状態もあるが、残り5日で4勝という勝ち越しの可能性も残す。

この高安について高田川部長は「(休場する)前も強かったけど、いい相撲を取っていてビックリした」と驚きの表情。さらに「(優勝争いの)キーマンだと、昨日から思っていた」と話した。高安の11日目の対戦相手こそ4勝6敗と負けが込んでいる熱海富士だが、それ以降の終盤で高安の対戦力士は、優勝争いに絡む力士が多くなりそうだ。