<番記者イチ押し Jの五輪世代(1)>

2月21日にいよいよJリーグが開幕。前半戦の注目ポイントは東京オリンピック(五輪)へ向けたメンバー争いになる。登録枠は18人。A代表経験もあるMF堂安律、久保建英、DF冨安健洋をはじめとする海外組と最大3人のオーバーエージ(24歳以上)枠を含めれば、国内組の枠は決して広くない。し烈な代表争いが待ち受ける中、日刊スポーツでは「番記者イチ押し Jの五輪世代」と題し、最後のアピールに燃える選手を紹介する。第1回は昨季王者横浜F・マリノスのMF遠藤渓太(22)。

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20年のJリーグ開幕を前にした今、遠藤に覚悟を感じる。「やれるだけのことをやって終われればいい。それで選ばれなかったらしょうがない」。潔い言葉の裏に、燃え上がる反骨心が垣間見える。

一瞬のスピードとドリブル突破が持ち味。代表に選ばれた1月のU−23アジア選手権は、絶好のアピールの場になるはずだったが、現実は違った。GKを除く20人中、DF菅と共に1試合も出番のないまま終戦。負傷もなく、調子も悪くない。それでも、1勝も挙げられず、1次リーグ敗退したチームをベンチから見守るしかなかった。直後、自身のツイッターには「また一から頑張ればいい、やれることやろ。俺」と言い聞かせるようにつぶやいた。

挫折のたびに、心身ともに強くなっているように見える。これまで五輪代表の海外遠征に漏れても、その度に横浜で存在感を示し、再招集を勝ち取った。昨夏には横浜でポジションの重なるFWマテウスを補強され、先発を奪われてもめげない。途中出場が続く中、最終節までの11試合で6得点。リーグ制覇したチームで輝き、昨年12月の東アジアE−1選手権、そしてU−23アジア選手権と連続で代表に選出された。

左サイドから仕掛ける鋭いドリブルに加え、課題だった決定力も高まりつつある。敵地で迎えた12日のACL1次リーグ初戦では韓国Kリーグ王者の全北現代相手に左サイドを制圧。先制ゴールを含め全2得点に絡んだ。開幕間近のJリーグでも勢いを持続させたい。「去年は優勝争いの雰囲気の後押しもあって得点も重ねられた。無風の中で何ができるか。自分のためにゴールを奪い続けたい」。狭き門となる国内組の五輪代表争いだが、数々の逆境を乗り越えてきた遠藤の反骨心の強さに伸びしろを感じている。【松尾幸之介】

◆遠藤渓太(えんどう・けいた)1997年(平9)11月22日生まれ、横浜市出身。中学から横浜のジュニアユースに加入。ユース時代の15年日本クラブユース選手権ではMVPと得点王の活躍でチームを優勝に導き、16年にトップチーム昇格。17年U−20W杯韓国大会出場。東京五輪世代としては18年アジア大会などにも出場した。175センチ、66キロ。右利き。血液型B。