<ウイルスと闘う世界の国から(3)>

世界中の人たちが、新型コロナウイルスの感染拡大に悩まされている。新連載「ウイルスと闘う世界の国から」では、主な国の生活やスポーツなどの事情を、現地で暮らす人たちの目線で紹介する。

   ◇   ◇   ◇

オランダでは、まだ外出は禁止されていません。ヨーロッパの近隣の国と比べると、身動きが取れないような状況ではありません。いつもなら長くて暗い冬が終わり、春を迎えるころ。この時期に外出を制限されるのは、北ヨーロッパの人たちにとっては想像以上につらい。ぜいたくな悩みだということは分かっていますが…。

学校やレストラン、カフェは閉鎖され、スポーツジム、美術館、劇場なども閉まったまま。平和で自由な時代に生まれた私たちの生活に、国からの命令で影響が出るのは、初めての経験。閉鎖するべきだということは、よく理解しているつもりです。ただ、自由が制限される、この点にはどうしても納得できない自分もいます。

毎週取材に行っていたサッカーの試合も中止。私たち通信員も暇だけど、サッカー選手も暇なのかもしれません。いくら家にいようと呼び掛ける意味があったとしても、SNSでトイレットペーパーをリフティングする“トイレットペーパーチャレンジ”には賛同できません。ヨーロッパの選手を中心に、いろんな選手が動画を投稿しています。

日本と同じようにスーパーでは、トイレットペーパーは、売り切れ。みんな困っている。リフティングの投稿は、やっぱり理解できない。みんなが同じことをしなくても…。サッカー選手のテクニックは、トイレットペーパーをリフティングするためのものではないはずです。

政府は2週間前から、できるだけ家で仕事をするよう指示しています。おかげで、私が住んでいる街(ベルゲアイク)では、今まで見たことがない光景が広がっています。夕方になると若者や、若い世代の夫婦が散歩。1組や2組でなく、かなり多くの若者を見かけるようになりました。

感染拡大には注意を払う必要がある。でも、散歩は体にいいし、頭のリフレッシュにもなる。一緒に歩けば、家の中とは違う会話もできるし、違う時間が過ごせる。新型コロナウイルスを決して甘くみているわけではないですが、いいことを1つ発見。今はこんな小さなことを積み上げてでも、前向きに頑張るしかないと思っています。(エリーヌ・スウェーブルス通信員)