2021年へ「1年程度」の延期が決まった東京オリンピック(五輪)の新日程が来月中旬までに決まる可能性が出てきた。延期決定から一夜明けた25日、大会組織委員会の武藤敏郎事務総長(76)が都内で取材に応じ、4月15日から行われる予定の国際オリンピック委員会(IOC)調整委員会に触れて「そこまで(日程決めのタイミングを)待っていられないかもしれない」と明らかにした。

「IOCやIF(国際競技連盟)、ステークホルダー(利害関係者)と相談しないと決められない。簡単ではないが、できるだけ早く、が我々の気持ち」と続けた上で「ただ、先に日程を決めてしまうと、会場の(再確保の)都合がつかないことも考えられる。多少は行ったり来たりのフィードバックをしながら詰めていかないと。先決めしちゃうと、大きなネックにぶつかる可能性がある。難しいところ」と再び会場を押さえる難しさを口にした。

競技日程にも言及。開会式前の先行実施を含め19日間(延期前は7月22日〜8月9日)を「原則的には今のまま、が一応の前提。同じようなタイミングであれば競技日程を変更しなくても済むのではないか」と現行の形で来年へ移したい考えがあることも明かした。

近代五輪124年の歴史で初めての延期を受け、組織委の中に26日に対策本部を立ち上げることも報告。「東京2020大会実施再スタート本部(仮称)」と名付け「まだ人数は決まっていないが、組織委の幹部20〜30人に集まってもらって問題点を整理したい。森会長にも出てもらい、延期に向けた意見交換をしていく」。その後、難航必至の会場再確保などの多数の課題について「東京都、政府との3者やIOCとの打ち合わせも始めていきたい。(30日の)理事会では延期の経緯を報告する。今までの方針から変えるところ、変えないところを1つずつやっていきたい」と、作業を本格化していく構えを見せた。

3者協議の中で追加費用について話し合うか聞かれると「先でしょう」とし「いきなり費用負担の話は、あり得ない。どこに追加費用が出るか分からない」と答えた。確保し直す会場の使用料や、場合によっては補償、今後の職員増も抱えながら増えていく人件費など、追加経費が3000億円程度か見通しを聞かれると「それで済めば、いい方なんじゃないですか。何も数字を持っていないから分かりませんが」と苦笑い。事前に想定されていたとはいえ、難しい調整だけでなく、1年程度の延期によって大会経費が大きく膨らむことも、あらためて分かる反応となった。【木下淳】