東京五輪の世界最終予選に出場したバスケットボール女子日本代表が11日、ベルギーから成田空港に帰国した。

開催国枠で出場権を得ている世界ランキング10位の日本は、得点源の宮沢がひざの痛みでメンバーから外れ、現地入り後には主将の高田が腰痛を発症。複数の主力を欠いた中で、世界ランキング4位カナダ、地元の声援を受ける同9位ベルギーと接戦を演じるなど奮闘した。1勝2敗に終わったとはいえ、ホーバス監督は「選手の組み合わせやスモールラインナップなど、いろいろ試すことができた」と手応えを強調した。

指揮官が収穫の1つに挙げたのが林咲希(24=JX−ENEOS)の覚醒だ。初戦のスウェーデン戦は無得点に終わったが、続くベルギー戦で大活躍。約20分間の途中出場でチーム最多24得点を挙げた。劣勢の試合終盤に3点シュートを立て続けに決め、大逆転まであと一歩のシチュエーションを演出。「ボールをキャッチしたら打とうと思っていた。1つ1つのシュートを覚えている。足に(疲れが)きていたけれど、頑張って打った」

翌日のカナダ戦では先発起用に応え、再びチーム最多21得点。試合当日の朝、ホーバス監督からは柔らかな口調ではなく「プレッシャーを掛けられる感じ」でスタメンを告げられたそうだが、「じゃあ、やってやろう」と気持ちを奮い立たせた。選手層の厚い所属先では加入3年目でまだ1度も先発出場がない立場ながら、約36分間のプレータイムを与えられ、強敵カナダと互角の戦いを演じる原動力となった。

2点を追う試合終了残り0・3秒、逆転を狙った最後のワンプレーで放った3点シュートは「打った瞬間、外れてしまったと感じた」。悔しさをにじませながら振り返りつつも、「ああいう場面でボールを回してもらったことは、いい経験になった。たぶん次は入ると思う」。視線の先にあるのは、東京五輪のゴールリングだ。

いずれも敗れたとはいえ2試合の活躍が評価され、渡嘉敷とともにグループのベスト5に選出された。女子最高峰プロリーグのWNBAプレーヤーに囲まれながら記念写真に収まった林。「オリンピックに出たいのではなく、出なきゃいけない。大会を通じてそんな思いに変わった」。言葉と表情に自信が宿ってきた。