リストラは45歳に来る 転職の備えは3つの自分改革

大規模なリストラに踏み切る動きが広がってきました。雇用者数が多い重厚長大産業や、金融・流通などのサービス業での人減らしが目立っています。それに伴う希望退職の標的となりやすい45歳以上のベテラン組は、身近に迫る「雇用クライシス」とどう向き合うべきなのでしょうか?

先日、転職相談に訪れたAさん(50歳)は、東京都心に生まれ、有名大学を卒業後、バブル期末期に老舗百貨店に入社して以来、30年間、流通の第一線で活躍してきた人でした。デパートの主役である婦人服の売り場で経験を積み、やがて海外出店戦略に伴い、アジア各国で店舗の立ち上げ、拡大を経験してきた敏腕でした。

複数の海外店舗を統括する支社長を経験し、優秀な数人の右腕的な幹部をはじめ、数百名の現場の部下を持ち、店舗経営をとりまとめる役職にまで上り詰めました。一国一城の主、経営の最前線を任されているという充実感で、取引先との接待などに夜の時間も使いながら仕事にまい進していました。

しかし、2018年8月、不振の海外店舗の閉鎖決定に伴い、突然帰国を命じられることになりました。そして、帰任前の面談で内示されたポストは、婦人服売り場のスーパーバイザー。通常のラインではなく、いわばスペシャリストとして海外の富裕層顧客などに対応するスペシャリスト的なポジションでした。当然、部下はゼロ。予算の責任もなければ、経費を使うシーンもありません。それを聞いた瞬間に頭の中は真っ白になり、感じたことはこの一言だけだったそうです。

「すべて終わった。これで出世の芽はなくなった」

■なぜ転職先探しに1年以上も費やしてしまったのか

真っ白になった後には、プライドを傷つけられたことで、怒りにも似た感情が巻き起こり、その瞬間に会社を辞める決意をされたそうです。自分がやってきた仕事の中身、自分が挙げた成果、自分が考えてきた自分なりのやり方、自分だからできた人心の掌握術を考え合わせ、「俺はまだまだできる。自分らしい強みを生かせる職場はまだまだあるはずだ」と考えるに至ったようです。

転職に踏み切ることに不安はあったものの、自分を評価してくれる会社は必ずあるという確信を持ちつつ、18年9月末の段階で会社を退職しました。それからすでに1年。Aさんの転職活動は、想定通りには進まず、まだ転職活動が続いている状況でした。

私が会ったのは、そのタイミング。もうそろそろ、「過去の経験を生かして小売りの現場で指揮をとりたい」とか「前職に近い年収を確保したい」といった希望条件を全面的に見直すべきかもしれないと考え始めていました。

「こんなに時間がかかるとは全く思っていなかった。退職したことに後悔はありませんが、事前の情報収集が不足していたことは後悔しています。ぜひ自分のこの痛い経験を、これから転職活動する方にも伝えてください」。こう言っていただいたこともあり、ここで皆さんにお伝えしています。


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