「良いお手本をたくさん見ること」。アイデアのプロ集団、広告会社、博報堂でディレクターを務める岡田庄生氏は、事業会社で良質のアイデアを生み出せるようになるには、この練習法が有効といいます。様々な練習問題を収録した岡田氏の著書「プロが教えるアイデア練習帳」(日経文庫)から、その一端をのぞいてみましょう。

≪問題≫
ゼリーを寒い季節にも食べてもらうためのアイデア
寒い時期に需要が落ち込むゼリー。あなたなら、どのようなアイデアを考えますか?

■寒い冬に「温かいゼリー」はウケるのか?

次のテーマは、ゼリーです。子どもの頃、お中元などで果物を使ったゼリーが贈られてきたという思い出がある人もいるのではないでしょうか。昨今は、お中元などの風習も減り、ゼリーを製造しているある企業では売り上げが落ち込んでいます。

特に深刻なのは、冬場の売り上げです。暑さが厳しく食欲が落ちがちな夏場は、ゼリーには一定の需要があります。しかし、気温が下がってくると、ゼリーを買い求める人は急に減ります。また、最近ではコンビニや食品スーパーは自社のスイーツに力を入れているため、そのようなライバルたちの中でゼリーが埋もれてしまっているのかもしれません。

では、寒い季節にもゼリーの需要を高めるアイデアは何が考えられるでしょうか。

●冬の果物を使用した冬季限定の味

●レンジでチンするホットゼリー

●お湯を入れると固まる粉状のゼリー

ゼリーが冬場に需要が減るのは、冷たいイメージがあるからだ、温かいイメージを持てれば、冬にも食べたくなるのではないか。そう考えた方もいるのではないでしょうか。しかし、本当に、温かいゼリーが食べたいのでしょうか。

そもそも、顧客が寒い時期にもゼリーを食べたくなる理由とは何でしょうか。

ここで、寒い時期のゼリーの使い方に目を向けて、「着眼点」を見出(みいだ)してみようと思います。ここで、私が様々な用途を検討するためによく使う質問をいくつか紹介したいと思います。

質問1 もしも寒い時に食べるとしたら、どんな時にゼリーを食べるのか

質問2 実は、こんな時にも食べたことがある、意外な使用シーンとは

質問3 ゼリーを食べていてイラッとする瞬間とは

質問1については、お中元でもらって、ダイエット中に、おばあちゃんの家で、などの答えが出てくると思います。ここであまり意外な使い方が出てこない場合は、質問2に進みます。