「DX(デジタルトランスフォーメーション)」に取り組む意識が一段と高まってきました。コロナ禍によって、「対面」や「イベント」方式の営業活動あるいは業務オペレーションに制限がかかってきたことから、デジタルを導入してビジネスモデルや業務を変革しようとする「DX」推進に本腰を入れる企業が増えています。

そうした動きに伴って、DX推進を担う人材の採用も活発化しています。DX推進に欠かせない要素といえば、「データの活用」「人工知能(AI)の導入」「クラウド化」など。これらのプロジェクトに携わった経験がある人は総じてニーズが高いといえます。

しかし、採用ターゲットとなるのは、必ずしもデジタル領域のスペシャリストやIT(情報技術)・ネット系エンジニアだけではありません。デジタルの専門家ではない人が、「発想力」「企画力」「変革推進力」などを買われ、DX推進を担うポジションで転職を果たしているケースもあるのです。

DX推進の目的は多様で、大きく分けると「攻めのDX」「守りのDX」があります。それぞれの目的に対し、どんな人材が求められているかをご紹介しましょう。

■「攻めのDX」で求められる人材

「攻めのDX」とは「イノベーションを起こす」ことです。既存のプロダクトやサービス、あるいは営業手法から脱却し、新たな価値を生み出すことで利益につなげようとする取り組みです。業界内でいち早く打ち出し、マーケットで優位に立つことを狙います。

例えば、住宅業界であれば、お客様に住宅展示場やモデルルームに足を運んでもらうのではなく、自宅にいながらVR(バーチャルリアリティー)で住宅の内覧ができるサービスを提供する。小売業界であれば、顧客の購買行動のデータをリアルタイムで解析し、即座に商品開発やECチャネルでの販売戦略に反映させるといった取り組みがこれに当たります。

では、各業界でこうした「攻めのDX」を推進するポジションには、どんな人材が求められているのでしょうか。

職種としては「経営企画」「事業開発」「事業企画」「営業企画」など。「DX推進室長」といったポジションの求人もあります。「CDO(チーフデジタルオフィサーまたはチーフデータオフィサー)」のポジションを置く企業も出てきています。

もちろん、デジタルのリテラシーや導入経験があれば重宝されますが、そんな人材はまだまだ多くありません。そうした知識・経験がなくても、ビジネスの構造を理解し、固定観念を打ち破れる人、これまでになかった価値とはどんなものかを発想できる人、デジタルの専門事業者を巻き込みながらアイデアを形にしていくプロジェクト推進力がある人であれば、DX推進のポジションで迎えられる可能性があります。