健康志向の人や自動車免許返上の高齢者が増え、自転車の価値が改めて見直されている。自転車メーカー大手、ブリヂストンサイクルの望月基会長は「単なる移動手段ではなく、人と人、地域と地域をつなげる役割を提供していきたい」と話す。品ぞろえを広げ、東京五輪・パラリンピックを機に自転車の魅力を発信していく考えだ。

――自転車市場では電動アシスト車が伸びているようですね。

「2桁前後の伸びがあります。年間700万台弱のうち、電動車が65万〜67万台だと思います。全体の1割を超えはじめるような構成になってきています」

■子乗せ電動車 思い出つなぐ

――消費者ニーズに変化はありますか。

「子どもが自転車の補助輪を外せるようにお父さんお母さんが後ろを持ちながらというシーンは、今はそれほど多く見かけないと思います。そういう機会をもっともっと私たちが提供していかなければ、自転車は単なる移動の手段になってしまう。お客様のライフステージやライフスタイルをつないでいくご提案をもっとしていきます」

――具体的にはどんな提案なのでしょうか。

「例えば子乗せの電動自転車です。お子様とお母さんがどこかに出かけるのはイベントなんです。思い出をつなぐブランドとしてどういうふうに自転車があるべきかを考えます。お子様が大きくなったら子ども用チェアを取り外してもトータルなデザインとしての完成度が高い、これが大事だと思うんですよね」

――シニアにはどんな提案をしていますか。

「電動車はシステムが真ん中に付くセンタードライブが一般的なんですが、私たちの差別化技術としてデュアルドライブというのがあります。モーター部分を前輪に付けることでこぐ部分を低床化できるんです。またぎやすくて、こぎやすくて、乗り降りしやすい。シニアの人たちからご好評をいただいています」