「何から始めるとよいのだろうか」と相談に来られたのは、家計管理や金融の知識は豊富にあるのに、全く動き出せていない独身会社員のAさん(43)。将来のために取り掛からなくてはいけないと思いつつも、自分は何から始めるとよいのかが分からず、何もできていないと悩んでいます。

■頭でわかっていても動き出せない

「老後の生活費が2000万円足りなくなると聞いたし、税金も上がるし、社会保障費も上がっていくかもしれない」とAさん。そう考えると、支出を少なくして貯金をしたほうがよいと思うし、個人型確定拠出年金(iDeCo)や積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)を利用して老後資金づくりに取り組むことも必要だと考え、気持ちは焦るけれども、どこから始めるとよいのかと思案に余り、いつもつまずいてしまうそうです。

実際、Aさんは何をしたいのか、具体的に聞いてみました。
・老後資金づくりを目的に、iDeCo、つみたてNISAを始めたい
・節税したい
・つみたてNISAなどで積み立てたい商品があり、それを設定したい
・格安スマートフォンに替えて毎月の支出を下げたい
・キャッシュレス決済を上手に使って、お得に買い物をしたい
などなど。たくさんの情報を得て、これらが「良い」ことだとは理解しています。あとは行動に移すだけのように思えますが、何を戸惑っているのでしょう。

Aさんに尋ねると、やはり何からやっていいのかがわからない、やって後悔しないか、自信がないなどと言います。

つまりAさんは、あれこれ理由をつけてやっていないようです。これは、自分が今のままでも将来大丈夫なのか、そうではないのか、自分の中で、必要な「もの」や「こと」が明確にできていないためだと思えました。そのため、まずはそのあたりをサポートしないと、いつまでたっても動き出せないか、やったとしても他人任せで、全く自分ごととして捉えられない恐れがありそうです。