UA、「ほどよくオシャレ」主力ブランドで提案

ユナイテッドアローズの主力ブランド「グリーンレーベルリラクシング(GLR)」が業態を広げている。2度の転換期を経て「ほどよくおしゃれな商品を、手ごろな価格で提供する」戦略で支持を獲得。近年はビジネスや女性向けに特化した新業態も展開する。ブランド立ち上げから今年で20周年。新たな顧客を取り込み、さらなる成長を目指す。

JR東京駅の地下に広がる八重洲地下街(東京・中央)に、周辺のオフィスで働くビジネスパーソンから支持を集める店がある。「ワークトリップ アウトフィッツ(WTO)」だ。ユナイテッドアローズが多忙な男女を対象に、おしゃれと機能性を両立。豊富なデザインのビジネスウエアを提案する。

■シンプルで高い品質+手ごろな価格帯

ユナイテッドアローズは現在、多様化した消費者の需要を取り込もうと、GLRの業態多様化に動き出している。2016年に立ち上げたWTOに加え、18年には女性向けのオフィスカジュアルに特化した「ルロウ」を開業。商業施設や駅ビルで積極的に出店し、手ごろな価格と適度なおしゃれ感で20〜40代の支持を獲得している。

ブランド設立から20周年を迎えるが、過去に2度、戦略を変えている。1999年の立ち上げ当時は、30代のファミリー層向けの業態として始めた。だが、百貨店ブランドとの顧客の奪い合いが続き、販売が苦戦。そこで、女性の社会進出を踏まえ、女性向け商材を多くそろえたブランドとして05年に再出発した。

転換後は女性向けの値ごろな商品で人気を集めたGLRだが、09年に2度目の転機を迎える。さらなる成長を目指すべく、GLRのコンセプトを明確にした。シンプルで高い品質と、手に取りやすい価格帯の商品に注力。20〜40代の男女から広く支持されるブランドを目指すことを社内で共有し、店頭での接客にも反映した。

■新たなセレクトショップ像を模索

洗練されたシンプルなデザインが人気

今回は、こうした戦略を深化させた。客層は同じ年代ながら、1つの業態で表現するのではなく、より特化した店を作ることで客層を広げられるとみている。

GLRは19年3月期時点で84店を展開し、ユナイテッドアローズで最多の店舗網を持つブランドに育った。シンプルなデザインのジャケットやカットソーが売れ筋商品で、平均価格帯は1万2千円程度。学生から主婦層まで親しみやすい価格帯と品質の高さが人気の秘密だ。「年間で5〜8店舗を出したい」(ユナイテッドアローズ)と今後も出店を続ける方針だ。

若者の嗜好多様化に伴い、しゃれたデザインの洋服への支出額は減少傾向にある。かつては数万円程度の衣料品を中心に展開したセレクトショップも転換期を迎える。

ユナイテッドアローズは時代の変化とともに、GLRの販売戦略を転換してきた。同社の取り組みが新たなセレクトショップ像を築けるかどうかに注目が集まる。

(堺峻平)

▼ユナイテッドアローズの主力ブランド。プライベートブランド(PB)品が全体の約7割と高く、ベーシックなデザインの衣料品に強みを持つ。平均価格帯が1万2千円程度という値付けも魅力だ。通常店では日常着も取り扱うが、近年は仕事着に特化した新業態の展開も進める。

[日経MJ 2019年5月31日付]

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