産地の個性堪能 食のプロが飲みたい日本ワイン10本

日本で育てたブドウで醸造された、日本の風土をその味わいに取り込んだワインが次々と生まれている。どれから飲み始めればいいのだろう。日本ワインの黎明期からを知る目利きに、今飲みたい日本ワインを選んでもらった。

■国内だけで産地の違いが楽しめるようになってきた

世界のワインに精通する日本初のワインテイスター、大越基裕さんがオーナーソムリエを務める店「アンディ」には、17カ国もの多彩なワインがそろう。その一つが日本ワインだ。

「今、料理は世界的にライトに、フレッシュな食材の良さを生かす方向に行っています。海外の力強いワインと比べて日本ワインは優しい味なので、最近の料理の傾向によく合う。今後は世界的に評価される可能性も秘めています」。

ワインはその土地ごとの風土を表現したテロワールの産物である。

「日本ワインも、近年は味が向上し、各地方の個性が明確になってきました。その違いを意識しながら飲むと、より楽しめますよ」

北海道なら、同じく冷涼な気候のフランス・アルザス地方で栽培されるブドウ品種のワインが魅力的。日本海沿いの新潟なら、やはり海沿いのスペイン・リアルバイシャス地方原産の品種アルバリーニョが高く評価されている。また畑の標高が高い長野なら、メルロ、カベルネ・ソーヴィニヨンなど国際的に有名品種のワイン。そして伝統的産地である山梨なら、日本固有の甲州のワインを選ぶと、その土地ならではの個性を楽しめる。

「アンディ」(東京都渋谷区神宮前3-42-12)の店内(写真:宗田育子)

※ワイン評下のデータは(1)価格、(2)主なブドウ品種、(3)アルコール度数

■日本のデイリーワインも味わいが向上した

東京・浅草にある「一升 VIN」を経営する岩倉久恵さんは15年ほど前から、いち早く日本ワインに注目してきた一人だ。

「日本ワインは、生産者も同じ日本人なので、その思想やワインのできる環境なども理解して、共感しながら飲めるところが大きな魅力だと思います。私の仕事は、実際に会い、話した生産者の想いを伝えることです」

近年、より美味になった日本ワイン界にはスター生産者が誕生し、入手しづらいレアなワインも多い。ドメーヌ・タカヒコ、農楽蔵、10Rなどはその代表格である。レアものを求めるのもいいが、気軽なワインも楽しんでほしいと話す。

「日本ワインの生産者たちは情報交換したり、熱心に勉強したりして、比較的購入しやすい1000円台のワインも味わいが向上してきました。ワイン造りの歴史が長い山梨や山形では、地元の人は1升瓶に入ったワインを湯呑みで仲間と気楽に飲み交わします。そういうふうに気取らずに、日本ワインを飲んでほしいですね。そんな思いも込めて、今の店に〈一升〉という名を付けたんです」。

(写真:多賀谷敏雄、以下同)「LA MAISON DU 一升 VIN」(台東区浅草1-9-5 on ビル1・2階)の店内。日本ワインは約60種そろう

※価格は各生産者による参考価格です。特記のないものは税込み。紹介したワインが各店で飲める場合もありますが、その場合はレストラン価格となり、表記の参考価格とは異なります。

(ライター 鳥海美奈子)

[日経おとなのOFF 2018年12月号記事を再構成]


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