オリパラ支えるボランティア 「裏方」でも多数の応募

調布市の説明会には市民ら約200人が詰めかけた

2020年東京五輪・パラリンピックに向け、競技会場やその周辺の自治体が独自にボランティアの養成に乗り出している。大会組織委員会や東京都の公認ボランティアだけでは「おもてなし」の人材が足りない。独自ボランティアは慣れ親しんだ街で訪れた観光客らを手助けし、大会を支える。自治体には五輪後をにらみ、ボランティアを育成する狙いもある。

「選手は1人では競技ができない。支えられ応援されて真価を発揮できる」。2012年ロンドン五輪の銅メダリストで元競泳選手の立石諒氏が東京都調布市の市民ら約200人を前に講演した。集まったのは同市が募集する「おもてなしボランティア」に関心がある人々だ。

Jリーグ・FC東京の本拠地である調布市内の大型競技場「味の素スタジアム(味スタ)」。五輪ではサッカーや7人制ラグビー、近代五種の会場となる。それに先立ち今年9月から開催されるラグビーワールドカップ(W杯)では、開会式や開幕戦を実施する主要会場となる。

まずラグビーW杯を機にボランティアの参加を募った

調布市は五輪・パラ期間中に約70万人、W杯期間中に約50万人の関係者や観客らが同市を訪れるとみている。五輪では同じ市内にある武蔵野の森総合スポーツプラザや武蔵野の森公園でバドミントンや自転車ロードレースなども実施される。

会場以外にも「ライブサイト」と呼ぶパブリックビューイング会場にも人が集まる。試合前後に観光したり街へと繰り出したりするファンも多いとみられる。

おもてなしボランティアは大会そのものには関与せず、交通案内やイベント会場の設営といった「裏方」の作業が中心となる。立石氏の講演に先立って実施した市の担当者による活動内容の説明でも「華やかではない。地味な活動が多い」と強調した。

それにもかかわらず、200人の定員に対し2倍の約400人の応募があったという。数カ月に1回のペースで研修会を開き、ボランティアの能力を高めていく計画だ。

研修会ではおもてなしの基本を実感してもらう場面もあった。NPO法人、日本スポーツボランティアネットワークの但野秀信氏は講演の途中、突然「2人ずつペアになって、2分間互いに自己紹介してください」と切り出した。

参加者はとまどいながら、名前や趣味などをお互い話し始めた。自己紹介が終わり、但野氏が「皆さん、ペアの方の名前は覚えていますか?」と尋ねると、会場内がどよめいた。

大規模なスポーツイベントには年齢や性別、国籍を問わず様々な人が集まる。但野氏は「重要なのは他者を認め理解する『他認の力』」だと強調し、コミュニケーションの重要性を訴えた。

立石氏はロンドン五輪について「選手村にはゴミが落ちていない。現地の人はたどたどしい英語でも理解しようとしてくれた」とも振り返った。「ボランティアは国の顔になる」。五輪・パラやW杯は日本を訪れた外国人にとり、アスリートの技や力とともにボランティアの対応が印象に残ることは間違いない。


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