ポルシェジャパンとポルシェ正規販売店を子会社にもつイー・ビー・アイ・マーケティング(東京・港)は7月、東京・有明に「Porsche NOW Tokyo」をオープンした。ポルシェ初のフル電動スポーツカー「タイカン」を常設展示し、Eモビリティーの活動を紹介する場として活用する。

■潜在顧客とのタッチングポイント

Porsche NOW Tokyoは、潜在顧客とブランドとのタッチングポイントとしての役割を担うポップアップストア(期間限定店)。全面ガラス張りの開放的な店舗には3台の車両が並べられる。目玉はポルシェ初の電動フルスポーツカー「タイカン」だ。「Porsche NOW」は新たなブランド訴求拠点として、これまでアラブ首長国連邦(UAE)のドバイ、ギリシャのアテネ、台北、本社のあるドイツのシュツットガルトで展開されてきたが、同店が日本初となる。

ポルシェジャパンのミヒャエル・キルシュ社長は、「これまでポルシェブランドとあまり接点のなかった、あるいは従来のディーラーに入ることをちゅうちょしていたお客様へ特にアピールしたい」と、若年層などへのリーチに注力すると述べた。

店舗には仮想現実(VR)体験スペースが設けられ、さまざまな車両のオプションを仮想体験できる。専門スタッフ「ポルシェプロ」も日本で初めて導入し、ブランドについて気軽に質問できるようにすることで顧客の裾野拡大を図る。

ポルシェジャパンのミヒャエル・キルシュ社長VR体験スペースも設置

■高まるタイカンへの注目

タイカンの価格は、1448万1000円(タイカン4S)〜2454万1000円(タイカンターボS)。19年11月のジャパンプレミア後に期間限定で行われたデポジット(保証金)が必要な予約プログラムの参加者は45%が新規顧客で、95%がガソリンエンジン車オーナーだった。ポルシェ初フル電動スポーツカーへの注目度の高さがうかがえる。

「タイカンターボ」とポルシェ ターボチャージャー(車両右)

タイカンの発売に合わせ、充電インフラネットワークの構築にも力を入れる。タイカンの充電方法は2つ。全国のチャージングスポットに設置された国内最速(ポルシェジャパン調べ)150kW級急速充電器「ポルシェ ターボチャージャー」と、自宅に設置する8kW級普通充電器「ポルシェ モバイル チャージャー 」だ。

ポルシェ ターボチャージャーは、24分の充電で車載バッテリーの80%(走行距離300km)まで充電できる。20年中に全国の販売店に21基設置する予定だ。ターボチャージャーとモバイルチャージャーを併設した「ポルシェ ターボチャージング ステーション」も東京・名古屋・大阪に設置し、長期滞在と短期滞在どちらにも対応できるようにする。東京は4カ所で準備を進めており、名古屋はヒルトン名古屋、ナゴヤセントラルガーデン、大阪はリンクス梅田、あべのハルカスの駐車場に設置される。他にもゴルフ場やホテルなど、長期滞在者に合わせて「ポルシェ デスティネーション チャージングステーション」を順次設置する予定だ。

チャージングステーションの構築に注力する

(ライター 北川聖恵、写真提供 ポルシェジャパン)

[日経クロストレンド 2020年7月29日の記事を再構成]