日経トレンディと日経クロストレンドが発表した「2020年ヒット商品ベスト30」の8位に「Shupatto(シュパット)」が選ばれた。レジ袋の有料化に伴ってエコバッグの売り上げは急拡大したが、中でもバッグの両端を引っ張ると一気に帯状に畳めるShupattoはずば抜けて売れた。

■レジ袋有料化で畳めるバッグが躍進

両端をつまんでシュパッと引っ張れば瞬時に元通り。簡単に折り畳めるノンストレスなエコバッグ「Shupatto(シュパット)」(マーナ)がこの夏、飛ぶように売れた。

バッグの両端を引っ張ると一気に帯状に畳める。他にはないユニークな機構に多くの人が飛びついた

2015年11月に発売された商品だが、20年8月にはシリーズ累計700万個を突破。4月時点では累計330万個であり、これまでの「約4年半分」をこの春から夏にかけて一気に売り切った計算になる。あまりの人気ぶりに作りが粗悪なコピー品や類似品も出回ったほどだ。

大躍進の背景にあるのは、7月1日に施行されたプラスチック製レジ袋の有料化義務付けだ。ロフトのエコバッグジャンルの売り上げは前年の3倍規模に伸長。「中でも他のエコバッグよりもずば抜けて売れたのが最も簡単に畳めるShupattoシリーズだった」(ロフト)

特に人気だったのが、7月に出荷数が前年比15.6倍を記録した「ポケッタブルバッグ」。畳んで丸めるとポケットに入るミニサイズでありながら、使う時は500mLペットボトルが6本も入るという収納力の高さが受け、「普段からエコバッグを使用している主婦層に加え、日々のコンビニ利用で必要に迫られた男性ユーザーにも波及した」(マーナ)

1月には新色のホワイトを発売した他、10月には定番のコンパクトバッグもリニューアル

■他企業とのコラボモデルも

他社にない豊富なラインアップもShupattoの大きな武器だ。15年の発売以降、買い物に役立つエコバッグだけでなく、リュックサックやボストンバッグ、保冷バッグなど様々なバリエーションやサイズを次々と展開し、生活雑貨コーナーだけでなくトラベルコーナーなどにも販路を拡大。「レジ袋有料化」という強力な追い風が吹く前にラインアップを潤沢にそろえ、知名度が十分高まっていたこともヒットの原動力となった。

他企業とのコラボレーションや限定モデルも幅広く展開。セブン&アイと共同開発した「セブンプレミアム ライフスタイル シュパット コンパクトバッグ」は、イトーヨーカドーのエコバッグ販売数トップ10に計6アイテムすべてがランクインするほどの勢いで売れた。中でも温めた弁当と冷たいドリンクを分けて持ち運べる「ドリンクハンモック」が内側に付いた6Lタイプが人気だという。この他デザイナーズコラボモデルや新色など複数の商品を20年に市場投入している。選択肢が格段に多いShupattoはエコバッグの代名詞として幅広く浸透した。

ハンドバッグとショルダーバッグの2通りで使えるタイプなど、買い物用途以外にもラインアップを幅広く展開しているセブン&アイとマーナが共同開発した限定版は、ペットボトル用ポケットがある。廃プラを主原料としたエコ素材を使用

(日経トレンディ 佐々木淳之)

[日経トレンディ2020年12月号の記事を再構成]