パナソニックは毎年開催している「くらし体感スクエア」で「『間』のある家」を発表した。家庭で過ごす時間が長くなったwithコロナ時代に対応し、仕事も遊びも家で楽しむことを想定したコンセプト住宅だ。玄関を入ったスペースにあるタッチレス水栓、センサー付きの照明器具など、非接触デバイスも随所に活用している。

「くらし体感スクエア」は、住宅販売代理店や工務店、設計事務所といったパナソニックの顧客企業に向けた展覧会で、1年に1回のペースで開催されている。家づくり関連の新商品などに加え、毎年、提案力を備えたコンセプト住宅を展示している。

2019年は顧客を招いて開催したが、20年11月の「くらし体感スクエア2020」はオンラインで実施した。「間」のある家をパナソニックのスタジオに建て、Web経由で紹介した。会期は2週間確保。これにより、全国の顧客が気軽に参加できるようになった。19年の来場者は約1万5000人だったが、今回はオンラインセミナーを含めて約3万3000人が閲覧した。

「間」のある家の監修は、医学研究者・医学博士の石川善樹氏、設計はトラフ建築設計事務所(東京・品川)、スタイリングはインテリアスタイリストの作原文子氏が手掛けた。

■withコロナの暮らしに着目した家

オンライン開催を決めたのは20年3月のこと。同時に、提案型のコンセプト住宅の内容を方向転換し、石川氏に依頼をかけた。その時点で、新型コロナウイルス禍により、仕事や映画鑑賞などさまざまな要素が家庭に入ると分かっていた。そこで、住宅と非住宅のボーダーレス化や、家庭におけるウェルビーイング向上などをキーワードに、コロナ禍の暮らしに着目した「間」のある家というコンセプトが生まれた。

「間」のある家は、一般的な住宅の広さである約70平方メートル。円形の建屋の中央に円形のスペース「間」を配置し、そこからキッチンやバスルームなどが放射状に広がっている。この特徴的な間取りは、トラフ設計事務所によるものだ。中央の「間」を通ることで気持ちを切り替え、外出機会が激減したコロナ禍での生活にリズムをもたらす。

「間」のある家では、withコロナ時代の暮らしの質を向上させる工夫として、パナソニックの商品を各所に取り入れプレゼンテーションをした。玄関の外に設置した宅配ボックスは非対面で荷物を受け取れる。玄関を入ったスペースにあるタッチレス水栓、センサー付きの照明器具なども、非接触で操作可能だ。

机など仕事の要素を排除し、睡眠に特化して生活の質を高める寝室には、パナソニックのスポットライト型プロジェクター「スペースプレーヤー」を設置した。壁面に木漏れ日のような映像を投映し、空間に広がりと安らぎをもたらした。

シンクを中央に配置し、家族が集まって調理できるシステムキッチンや、照明器具をスマートフォンのBluetooth経由で操作できるスイッチは新商品だ。

パナソニック ライフソリューションズ社コミュニケーション部主幹の高松潤二氏は、「屋内外に配置したさまざまな商品は、新たに開発したものばかりではなく、既存商品の中からコンセプトに沿って集めたもの」と語る。

ほかにも、換気システムや空気清浄機などで快適な空気環境を提供する。在宅時間が長くなることから、増加する光熱費の削減につながるホームエネルギーマネジメントシステムも取り入れている。

オンラインで実施したアンケート調査では、宅配ボックスが最も導入意向が高かった。オンライン開催に切り替えて判明した課題は、想定していたが、素材感やサイズ感が伝わりにくいこと。21年はリアルとオンラインの両方を活用した、ハイブリッド開催を考えているという。