西南学院大4年の波止紗英さん#みんなの卒業式ワッペン

 世界を覆うコロナウイルス禍で、卒業式の中止や縮小を余儀なくされた若者たちが全国にいます。伝えたかった「ありがとう」と「おめでとう」。晴れの日を心待ちにしていた方々から西日本新聞の「#みんなの卒業式」プロジェクトに託されたメッセージの一部をご紹介します。卒業生のみなさん、たくさんの人があなたの門出を心からお祝いしています。あなたの存在が私たちの希望です。

 ピンク、黄色、赤、色とりどりの花が飾られた会場は、記念撮影をする卒業生たちの笑い声であふれていた。少し前までは、卒業式が中止となりがっかりしていた人々だ。「こんな時だからこそ、楽しい思い出をつくろう」。撮影を見守る西南学院大4年の波止紗英(なみとめ・さえ)さん(22)=福岡市=も、大きな笑みを浮かべた。

 波止さん自身も卒業式が中止となった一人。友人たちは「せっかくはかまをレンタルしたのに」と残念がった。ニュースを見ると、卒業式や結婚式のキャンセルで花が売れなくなった生花店や、観光客の減少で空き室が増加したホテルがあるという。

 「おしゃれなホテルに花を飾り、卒業生の写真を撮ろう」。波止さんは、学生や起業家、クリエーター仲間とつくるイベント企画グループ「明星和楽(みょうじょうわらく)」で、撮影会を開くことにした。

 準備期間は約2週間。会場は市内のホテルが無償で提供してくれ、生花店と生産者をつなぐ同市のIT企業「CAVIN(キャビン)」の協力も取り付けた。花の購入には1組500円の撮影料を充てた。

 一方で、自粛ムードが広がる中での開催に迷いもあった。何度もメンバーと対策を話し合い、消毒液を用意し、1組ずつ会場に入れることにした。

 そして迎えた19日の撮影会。会場には、はかまなどで着飾った約20人が次々と訪れた。市内の女子学生は「今日が卒業式のはずだった。予定通りはかまを着て、きれいに撮ってもらえてうれしい」。波止さんは「『あの時は大変だったね』と、後で笑い話にしてもらいたい」と話した。(黒田加那)

お祝いメッセージの一部をご紹介(順不同)

◆本当はみんなで写真を撮りたかったのに。先月中頃に看護師国家試験を受験しましたが、その時が同級生に会う最後の日になってしまいました。とても悲しいです。みんな4年間本当にありがとう。迷惑をかけたことも多くてごめんなさい。でも、みんなが支えてくれたおかげで頑張ることができ、充実した学校生活を過ごせたと思います!また同窓会で会えますように。(福岡・大学4年女性)

◆6−3のみんな、ありがとう!! 小学校生活で一番楽しい1年でした。中学は少しずつ別れてしまうけど、この27人のことを忘れずにそれぞれ頑張ろう。また、大きくなって集まれることを楽しみに頑張ります!!(MANE.MY)

福岡第一高バスケットボール部で日本一になった河村勇輝さん

◆いや〜長いようで短かった6年間だったな。辛い時期もあったけど楽しかったよ。みんなありがとう中学でもよろしくね。私立に行く人も悲しいけど今までありがとう!(福岡・小6女子)

◆もっとみんなと一緒にいて遊びたかった。こんなかたちで卒業式を迎えるのがすごく悲しいし、寂しいです。だけど、僕たちはずっと友達だ! 本当にありがとう。そしてこれからもよろしく!(福岡・中3男子)

◆いきなり休校になり、びっくりしました。もっとみんなと遊んだり、しゃべったりしたかったです。だから春休みは友達とたくさん遊ぶつもりです!! 今までありがとう。(福岡・小6女子)

◆クラスのみんなでカレンダーを作って「あと何日!」と言っていたのに、とても残念です。6年生を送る会は全校で集まれずに先生たちも悔し涙を流しました。こんな思いをするのは今年の卒業生だけでいいです。在校生のみんなには卒業式までの時間をとても大切にして、楽しんでほしいと思います。(MIHARU)

HKT48の渡部愛加里さん

◆5年生のみなさん、これからは下級生を自分たちでリードしていってください。1〜4年生、新1年生は5年生の言うことをしっかり聞いて頑張ってくださいね。6年生のみんな、先生方、本当にありがとうございました。小学校生活を楽しく送れたのは、みなさんのおかげです。(匿名)

◆正直こんなことになるとは思ってなかったけど、実際になったらものすごく悲しくて気分も落ち込みました。うちの学校は卒業式をやってくれるらしいけど、ない学校もあるなど、つらい人も多いと思うので、何かしらしてあげてもいいのではないかと思います。(福岡・中3男子)

◆悪ガキ過ぎて校長先生や先生方を困らせてごめんなさい。でもきちんと僕の話に耳を傾けてくれてありがとうございました。逃げ出して連れ戻され、親を呼ばれて注意され、本気で怒ってくれてありがとうございました。中学になったら少しマジメになって頑張るね笑。I先生大好きだった!6年間ありがとう!(大分・小6男子)

◆サッカーの九州ジュニア(U−12)九州大会に、オリエントのメンバーと出場したかったです。僕はキーパーをしています。シュートを止められるように、いつもキャプテンのヒロと2人で練習しています。筑豊地区からアビスパ福岡に勝ち、九州大会に行くのは初めてだった。僕らが九州大会にコーチを連れて行くはずだった。中止になって悔しいです。このメンバーと試合ができるのは29日のお別れサッカーだけになりました。その日は晴れますように。神様お願いします。(福岡・ダイスケ)

◆今はつらく、苦しい時かもしれませんが、今年は一生、忘れない1年になるはずです。共に頑張りましょう!! 私はいつでも皆さんの味方です。(れんちゃん)

◆残されたたった数日間の中学校生活と、縮小された卒業式を子どもたちなりに精いっぱいやり遂げた姿を見て、成長を感じることもできました。時間がたって、このことが“いい思い出”と笑って話せるようになるといいですね。(福岡・保護者女性40代)

◆小学校6年間、学校に行きたくない日もあったでしょう。あなたが立派に成長したこと、感無量です。4月から新しい環境で戸惑うこともあると思いますが、これまでの出会いと新たな出会いを大切に頑張ってください。(福岡・保護者女性40代)

◆中学校に進学するわが子へ。しっかりと自分を見つめて前に進もうとするあなたはとても立派です。胸をはって行こう。(福岡・保護者女性40代)

◆みんなと卒業パーティーしたかった! 保育園も幼稚園も施設も、研修がままならないところもありそう。でも4月からは待ったなし。不安だよね。その不安も聞いてあげたかった。いつでも研究室においで。なんでも話聞くから!(福岡・2−C教員)

ダンスチーム「九州男児新鮮組」尾花亮さん

◆娘に。本当に勉強と部活よく頑張りました。大学受験は失敗したけど、これから先に生かされると信じてます。夢に向かってまだまだ頑張ってね。努力は必ず報われる!(福岡・保護者女性50代)

◆全国の卒業生の皆さん。友達との出会い、これまで学んできたことは自分の糧になります。これからも自分を信じ、未来へ羽ばたいてください。(大分・保護者女性30代)

◆いま健康で毎日を送れることに感謝して、新しい学年、学校へ向かう希望と目標へ思いをはせてください。人生は山あり谷あり。困難を乗り越えた先に見えるものが必ずあります。(福岡・保護者女性50代)

◆本多先輩、1年間いろいろな思い出を下さりありがとうございました。(福岡・中学生男子)

◆先輩、卒業おめでとうございます!(熊本・中学生男子)

◆これから決断しないといけないことが、いくつもあるでしょう。その時、相手にとって何が最善なのかを考えて、優しい大人になってください。(福岡・女性)

◆お父さんお母さん、そのご両親の命が大事につながってきたことに、卒業式を機会に思いをはせて、新しい友人との出会いを求め、困難に打ち勝つ強い意志で生きてください。(熊本・保護者男性60代)

◆式の中止で友達や先生とのお別れができなかったこと、感謝を伝えられなかったこと、残念に思います。この出来事をバネに、これから出会う人とのつながりを大切にしてください。(福岡・保護者女性30代)

◆娘に! 中学卒業おめでとう。これからは、夢の看護師の目標に向かって、高校でも頑張れ、応援してるよ。(宮崎・保護者男性40代)

◆6年生へ。いつも僕たちのお世話をしてくれてありがとうございました。中学生になっても僕たちのことを忘れずに学校生活を頑張ってください。(福岡・小学生男子)

福岡ソフトバンクホークスの柳田悠岐選手

◆息子の剣道部の先生へ! 本当に熱くすてきな先生に恵まれ、素晴らしい中学生活でした。ありがとうございました。(福岡・保護者)

◆サークルの先輩に。成長させていただいて感謝です。ありがとうございます!(熊本・大学生女性)

◆塾の教え子たちへ。私の中学校の卒業式は東日本大震災の当日でした。今年はコロナ。仲間との別れもままならない事態は悲しいことですが、卒業式は通過点にすぎません。これから先、皆さんの未来が明るいことを祈っています。(福岡・男性)

◆部活動ではあなたたちが残してくれた目標を目指して1、2年生が頑張ってます。高校に行ってもご活躍を期待してます!!(福岡・保護者女性30代)

◆学校生活、いろんなことに頑張ったと思います。その体験を新しい環境でも生かしてほしいと思います。(福岡・保護者女性50代)

カメラに向かって笑顔を見せる卒業生や友人たち

◆卒業式を祝うために、たくさん歌の練習と呼び掛けを頑張ったけど披露できなくて残念でした。けれどその練習は無駄じゃないと思います。6年生が渡してくれたバトンを次に自信を持って渡すために、全校のお手本となり、歴史を残したいと思います。(福岡・小5女子)

◆優しくて、たよりがいのある3年生の先輩方たち、ありがとうございました。(福岡・中学生男子)

◆体育祭で初めての放送の仕事で足手まといになることが多かった私を励ましてくれ、率先して行動していた先輩の姿、とてもかっこよかったです。本当にお世話になりました!(福岡・高1女子)

◆先輩方は憧れの存在でした。中でも、美術部の私を魅了したのは個性あふれる先輩方の作品です。華やかな未来を駆けられるようにお祈り申し上げます。どうか、お元気で。(福岡・中1女子)

◆お兄さん、お姉さんになったね。よくがんばったね。小学校でもがんばってね。先生はずっと応援してるからね。「おめでとう」を子どもたちの目を見て伝えたかったな。(元保育士・ぺったー)

◆晴れ晴れと次のステージへと向かう皆さんの人生に幸多きことを祈っております。夢と希望へと頑張ってください。 (長崎・保護者女性40代)

◆娘へ。これからも、できなかったことより、できるようになったことをカウントしていきましょう。出会った人や経験を財産に、健やかにパティシエになる夢に向かって進んでくださいね。(福岡・いつの日もいつまでも貴女の応援隊長の母)

◆卒研で頑張ったみんな! 調べ物の多さにもめげず、まとめあげた底力に感動しました。国家試験もその頑張りで乗り切ったことと思います。皆さんの将来が輝きますように!(福岡・男性)

◆大変残念でしたが…必ず終わりは見えてきます。その日が訪れたなら、また集い祝い合いましょう!(福岡・保護者男性50代)

◆今までたくさん思い出ができたよね! これからも仲良くしてね。5年間ありがとう。(福岡・小学生男子)

◆大変な中の巣立ちとはなりますが、思い出と絆の力は強いです。私も春から新生活となります。一緒に頑張りましょう!(福岡・女性)

◆娘へ。ランドセルを背負った背中を、見えなくなるまで見送った、あれから6年。胸を張って卒業を迎えてね。おめでとう。(たらこ)

第一薬科大を今春卒業した坂井遥香さん

◆今後の人生は今回のような思いもよらない出来事があると思いますが、前向きに考えてください!(福岡・男性)

◆娘へ! 中学3年生の時いじめを受け不登校になり卒業式に出ませんでした。その後、高卒認定資格に無事合格し、それが娘にとっての卒業式です。よく頑張ったね。おめでとう。(福岡・保護者女性50代)

◆今まで職業柄、小中高の卒業式に行ってやれませんでした。大学の卒業式は、親にとっても子育ての卒業。今年こそは息子の晴れ姿を祝いに行くつもりでした。あまりにあっけない終焉に戸惑いながらも、息子の独り立ちを心から応援したい親心です。(うっちー母)

福岡県粕屋町立粕屋中央小のPTA会長・田崎行範さん

◆eスポーツ愛好会の部長へ。社会人になっても活躍できるようエールを送ります。(福岡・愛好会顧問)

◆こどもたちへ。晴れの日も雨の日も風の日も、意味があり価値があること。幸せは自分の心が決めるということ。自由に好きな未来に羽ばたいてください。(福岡・保護者女性40代)

◆当たり前だと思っていたことは当たり前ではなく、実はその瞬間瞬間がとても貴重なことだったんだと、私は気付かせてもらいました。これからの皆さんをずっとずっと応援しています。(はち母さん)

◆久留米市立城南中学校柔道部の皆さま。3年生の優しく温かい雰囲気の中で、息子は柔道が好きになりました。先輩方には本当にお世話になりました。(福岡・保護者女性40代)

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 「#みんなの卒業式」プロジェクトは、若者たちの門出を社会を挙げてお祝いし、エールを送るため、西日本新聞が北海道新聞、東奥日報、岩手日報、東京新聞、新潟日報、岐阜新聞、京都新聞、神戸新聞、中国新聞、徳島新聞、NHK、エフエム福岡などと協働で展開してきました。

 各地方紙が連携して当事者の声を報じてきたほか、NHK総合は24日午後7時半からの特別番組、エフエム福岡では31日午後4時半からの情報番組「ハイパーナイトプログラムガウ」で、それぞれ寄せられたメッセージを紹介します。