東京五輪・パラリンピックが1年程度延期されたことを受け、西日本新聞「あなたの特命取材班」は、無料通信アプリLINE(ライン)でつながる「あな特通信員」を対象にアンケートを実施した。延期の判断について「評価する」との回答が多数寄せられた一方、開催地であり感染者も多い東京や北海道の回答者を中心に「1年では短すぎる」「中止を」という声も上がった。

 アンケートは、安倍晋三首相が延期を表明した24日夜から25日午後3時にかけて、全国のあな特通信員約1万1千人を対象に実施。2568人が回答した。

 延期の判断を「評価する」と答えた人には「1週間先さえ見えていないのに、安易に(今夏の)開催前提で進めるべきではない」(福岡県・69歳契約社員男性)、「アスリートファーストの観点から、2年延期ではメダル候補の選手としてのピークが過ぎる可能性がある」(東京都・27歳会社員男性)、「世界中で、コロナ克服を祝うような平和の祭典になれば」(兵庫県・65歳無職男性)などの意見があった。

 ただ、延期の方針を評価する人の中からも「来年実施となると福岡市で開催される世界水泳と重なるのが心配」(福岡県・45歳団体職員)、「ボランティアをする予定で楽しみにしていた。来年だと予定が立たない」(福岡県・35歳会社員女性)との声が上がっていた。

 「評価しない」と答えた人には「1年後にコロナ禍が収まっている保証は全くない」(福岡県・42歳会社員男性)、「4年ずらすのもやむなしと考えて、今後起きる医療崩壊や経済的不安に全力で備えてほしい」(福岡県・48歳会社員男性)といった声も寄せられた。

「パラリンピック選手の不安はかなり大きい」

 1年程度という延期期間を「適切」とする声は、九州7県の回答者の70%を占めたが、東京や北海道など開催地の回答者は56%にとどまった。

 「海外からの観客もコロナで来られない。来られても困る状況での開催は賢明ではない」(東京都・56歳自営業女性)、「欧米諸国で感染拡大の流れが止まりそうにない中、(1年後でも)世界中の人々を招き入れるのは地元住民にとって危険」(東京都・47歳会社員男性)、「マスクすらいまだに手に入らない中で国際大会の開催を論じるのはそもそもおかしい。最低限の生活の確保が優先だ」(北海道・48歳団体職員)と延期期間が「短すぎる」との受け止めや「中止」を求める声もあった。

 パラリンピックの選手について「日常生活上の障害もある中、(コロナ禍が完全に終息しなければ)不安はかなり大きいと思う」(福岡県・40歳会社員男性)と気遣う声もあった。

 国内でも感染者が日に日に増加する中、「判断が遅すぎる」という批判もあった。東京都のパート女性(61)は「五輪が震災の復興の足かせとなり、(安倍首相が)『アンダーコントロール』(制御できている)と言った原発の処理も進んでいない。五輪を開催するに値しない国になっている」と嘆いた。(金沢皓介、坂本信博)

 ◆このアンケートは、LINEで西日本新聞の友だち登録をしている「あな特通信員」を対象にした調査です。多様な方々の生の声を聞き取ることが目的で、無作為抽出で民意を把握する世論調査とは異なります。