日本郵政の増田寛也社長は30日、かんぽ生命保険と日本郵便による保険不正販売問題について、法令や社内規定に違反した営業担当者2448人に対し、保険募集人資格の取り消しや業務停止とする処分を決めたと発表した。大量の処分者を出したことについて、記者会見した増田氏は「大変な社会的な不祥事を発生させてしまった。重く受け止めている」と述べた。

 処分は、契約乗り換えで顧客に不利益を与えた恐れがある約18万3千件(約15万6千人)の「特定事案調査」を受け、保険業法に基づき決定。2448人の大半は、かんぽ生命が販売を委託した日本郵便の社員だった。内訳は、顧客に虚偽の説明をするなどした法令違反が341人で、顧客の意向に沿わない契約を勧めるなど社内規定違反が2107人だった。

 最も重い資格取り消しは「解約は6カ月間できない」と虚偽の説明をしたり、解約時期を意図的にずらすなどして新規契約を装う「潜脱(せんだつ)行為」を10回以上したりした11人。業務停止は6〜1カ月が924人、3〜2週間が1513人。

 これとは別に日本郵便は懲戒処分を7月以降、順次行う。管理職などの責任者の処分も検討する。

 自粛中の保険販売の再開について増田氏は、顧客の不利益解消や法令などに違反した営業担当者の処分などが前提になると説明。外部有識者らでつくる委員会の評価を踏まえて判断する考えを示した。

 一方、今年2月に新たに約22万件(約6万人)を対象に加えた「深掘調査」については、顧客への聞き取りがほぼ終了し、7415人が契約内容が意向に沿わないと回答していると説明。約3千万件(約1900万人)の全契約を対象にした調査については、契約内容に不満を持つ顧客が約8千人いると報告。うち2130人で法令違反、1620人で社内規定違反の可能性があると説明した。(飯田崇雄)