北九州「暴排標章」掲示率低迷55% 工藤会へ根強い恐怖、浮き彫り 制度開始5年

北九州「暴排標章」掲示率低迷55% 工藤会へ根強い恐怖、浮き彫り 制度開始5年

 暴力団組員の飲食店への入店を禁止する福岡県の「暴排標章」制度が始まってから、8月1日で5年が経過した。北九州地区では2012年8月末で標章掲示率は74%だったが、同年末には58%に激減し、昨年も55%と低迷していることが県警のまとめで分かった。制度開始後、標章掲示した飲食店関係者が、特定危険指定暴力団工藤会(北九州市)に襲撃される事件が続発したことが背景にあり、今も暴力団に対する根強い恐怖を多くの市民が抱えている実態が浮き彫りになった。

 標章制度は12年8月、改正福岡県暴力団排除条例に基づき始まった。福岡、北九州、筑豊、筑後の4地区にある繁華街を「暴力団排除特別強化地域」に指定。組員が無視して入店すれば県公安委員会が中止命令を出し、従わない場合は50万円以下の罰金が科せられる。

 県警によると、4地区の掲示対象の総店舗数は昨年12月末現在、5259店で掲示率は73%。一方、北九州地区の掲示率はワーストとなっている。

 県警は今年6月初旬、工藤会幹部らが12年9月にスナック経営女性=当時(35)=の襲撃に組織的に関与したとして、組幹部ら計14人を組織犯罪処罰法違反(組織的殺人未遂)の疑いで逮捕。このほか標章店を狙った三つの襲撃事件については、組幹部らの逮捕にこぎつけた。

 こうした取り組みに北九州市小倉北区で飲食店を営む60歳代男性は「暴力団排除に賛同しているからこそ、標章を掲示している」と評価。スナック経営の60歳代女性も「安心して飲めるという街のイメージにつながる」と話した。

 ただ、標章を掲げていない北九州市の30代のスナック経営者は「襲撃事件がいくつも発生した当時は本当に怖かった。誰も守ってくれないなら貼らない方がいい」と話し、掲示が進まない背景を訴える。捜査関係者の一人は「工藤会トップの野村悟被告を逮捕するなど壊滅作戦は進んでいるが、市民の恐怖はまだ拭えていない」として、今後も強力に捜査を進める方針を示した。

=2017/08/04付 西日本新聞朝刊=

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