豪雨で被害「フルーツ王国」復活へ 福岡の4農園が10日開園

豪雨で被害「フルーツ王国」復活へ 福岡の4農園が10日開園

 九州豪雨で被災した福岡県朝倉市では、名所の一つである観光農園も大きな被害を受けた。一部で営業できない農園があるが、果物狩りが本格化する時期を迎える中、流れ込んだ土砂をかき出して予定通りの開園にこぎつけた農家も多い。「フルーツ王国」の復興に向けた農家の思いは強い。

 「熟すのが少し遅めやけど、何とか間に合うた」。8日、朝倉市杷木久喜宮で「井上巨峰園」を営む福田幸夫さん(74)は濃い紫に色づいた巨峰を確かめ、満足そうにうなずいた。隣接する3農園と一緒に、例年通りの10日に開園する。

 7月5日の豪雨では、近くの犬谷川からあふれた大量の水と土砂が農園に流れ込んだ。自宅は無事だったが、農園は約1メートル浸水、「泥の湖の中に埋もれたようだった」と振り返る。

 果実は辛うじて無事だったが、10アールの農園全体が土砂に覆われ、復旧作業は困難を極めた。根の呼吸を阻害する上、土の成分が変わり実の熟成に悪影響を与える可能性がある。ブドウを傷つけないよう重機は入れず、スコップやクワで連日土砂を取り除き、幹に付いた泥を洗い落とした。「リピーターのお客さんも多い。いつも通りに開園したかった」と語る。

 同市黒川で鳥巣良彦さん(62)が経営するナシ園「秀幸農園」は100アールの農園のうち3分の1が土砂が流れ込むなどして使えないが、無事だった畑で土砂の撤去作業を続け、盆前後の開園を目指す。「『高木梨』で知られるブランドを守りたい」と鳥巣さんは話す。

 一方、同市杷木志波でブドウ園「松和園」を営む宿里和弘さん(60)は畑全体が崩壊し、今季の開園を断念した。それでも、木を植え直し「7〜8年後の再開を目指す」と前を向く。

 朝倉市商工観光課によると市内にはナシ、ブドウ、柿などの観光農園が約40あり、このうち10農園が営業再開のめどが立たないという。被害が限定的だった甘木地区などでは既に開園しているが、あるナシ園は「客の出足は例年より鈍い」と話す。

=2017/08/09付 西日本新聞朝刊=

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