乳がん自己触診で早期発見を 娘亡くした花岡さん夫婦 県内58高校に腫瘍診断モデル贈る [大分県]

乳がん自己触診で早期発見を 娘亡くした花岡さん夫婦 県内58高校に腫瘍診断モデル贈る [大分県]

 2014年に乳がんで長女美穂さん=当時(36)=を亡くした大分市の建築士花岡治さん(69)、静代さん(69)夫婦が14日、乳がんの兆候を触って確認できる触診モデルを県内の全58高校に寄贈した。「早期発見の大切さ、命の大切さを知ってもらうことが美穂と私たちの一番の願い」。約5年間闘病し、必死に生きようとした美穂さんの思いを託している。

 美穂さんは大阪府で会社員だった09年に乳がんと診断された。4段階中3段階目に重い「ステージ3」。約半年前に左乳房にしこりがあることを自覚していたが、仕事が多忙だったことなどから病院での精密検査は受けていなかったという。治さんは「すぐに検査していれば、初期段階で治療でき、美穂は今も一緒にいたかもしれない」と振り返る。

 美穂さんは抗がん剤や放射線による治療を行い、左乳房とリンパ節を切除した。約2年後、肝臓への転移が発覚。病と闘いながら「生きている証しだから」と仕事を続けたという。末期には故郷の大分市に戻って治療を続け、14年に亡くなった。

 触診モデルは、腫瘍がある場合にどんな感触のしこりが乳房のどこにできるかが分かるもの。花岡さん夫婦は18年度とあわせて県立と私立の計58校にそれぞれ1台寄贈した。

 花岡さん夫婦は「美穂のことを知ってもらえれば、道具である触診モデルにも命が通う」と思い、高校に贈る触診モデルには、美穂さんの闘病の様子や思いをつづった手紙を同封している。

 昨年度寄贈した高校の生徒からは約100通の手紙も届いた。「前向きにいればつらいことも乗り越えられる勇気をもらいました」「健康が当たり前で、寝れば治ると思っていたけれど、何かあれば早期発見、治療に努めます」。美穂さんの思いが少しずつ浸透していると、花岡さん夫婦は確信している。

 広瀬勝貞知事に14日に目録を渡した花岡さん夫婦には感謝状が贈られた。

=2019/05/15付 西日本新聞朝刊=


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