昨年末、福岡県小郡市三沢の田畑で、国の特別天然記念物であるコウノトリが2羽確認された。コウノトリの繁殖と保護に取り組む兵庫県立コウノトリの郷公園(豊岡市)によると、このうち雌の1羽は2017年12月にも小郡市に飛来していたことが判明。同公園は「つがいかどうかはまだ分からないが、今後の動向が気になる2羽」として、見かけても静かに見守るよう呼びかけている。

 田畑の持ち主で写真を撮影した農家白木嘉代さん(50)によると、2羽は昨年12月11日昼頃に飛来した。「見たことのない大きな鳥。田畑を行ったり来たりして、カエルなどをつついていたみたい」。同日夕方には近くのマンション屋上で羽を休め、翌12日の昼前まで田畑にいたという。

 白木さんの写真を同公園が確認したところ、1羽が2017年5月豊岡市生まれの雌、もう1羽が同年3月に徳島県鳴門市で生まれた雄で、地元住民に「なるくん」と名付けられた鳥と分かった。雌は18年秋から19年1月に鳴門市を訪れたことが分かっており「そこで出会ったかもしれない」という。

 国内には現在178羽が生息。訪れた場所を覚え、気に入った地を再訪することもある。コウノトリが繁殖できるようになる年齢は3歳以降で、2羽はまだ少し幼い。「九州での営巣例はまだないが、1年を通し安定してエサがある場所なら可能性はある」とし、もし目撃した場合は「驚かせず、150メートルほどの距離を保って」と話している。 (大矢和世)