九州初の院内感染によるクラスターが発生したとみられる大分市の国立病院機構大分医療センターでは21日、感染した看護師ら2人が発症後も出勤していたことが判明。感染が確認された大分県臼杵市の60代女性が持病の間質性肺炎と判断されてPCR検査が遅れたことも分かった。感染爆発も懸念される事態を、なぜ防げなかったのか。会見した広瀬勝貞知事は、県内の医療機関に対し「感染が疑われる場合にはちゅうちょせず、PCR検査の相談をしてほしい」と訴えた。

 県によると、2人は20日に感染が判明した30代女性医療従事者と20代女性看護師。医療従事者は15日に38度台の熱が出た後、16日に別の病院で受診。17、18日は休んで19日に出勤した。看護師は18日に下痢、19日に頭痛や倦怠(けんたい)感があったが19日まで勤務したという。

 県健康づくり支援課の藤内修二課長は「医療現場の厳しさは分かるが、残念と言わざるを得ない」と指摘。センターでは体調の悪い医師や看護師らは休むよう取り決めているが「事情を確認したい」としている。

 60代女性は発症した7日から16日にかけ、臼杵市内の2医療機関を複数回受診した後、間質性肺炎と診断されてセンターに救急搬送された。PCR検査を受ける19日まで4人部屋で過ごしていた。

 県によると、女性は呼吸に苦しんでいたものの熱がなかったため、センターは持病の間質性肺炎が悪化したと判断。県や大分市への相談はなかった。夫(60代)の感染判明を受けて女性のPCR検査を行ったという。

 医師でもある藤内課長は「肺炎が持病のため、判断は難しいが、新型コロナウイルス感染を念頭に診察してほしかった」と強調した。 (岩谷瞬)